「私が描く、選ぶ、動き出す」をキーワードに、2021年5月にオンラインで開催されたイベント「WOMAN EXPO TOKYO 2021」。タレントのSHELLY さんと、元日本マイクロソフト社長、HONZ代表の成毛眞さんが、「働き方、家族、ジェンダー観…2040年までに『女性の生き方』はこう変わる!」と題して対談を行いました。少子高齢化に伴い、女性の「働き方」はどう変わる? 日本のジェンダー観が「今のままではまずい」理由とは? 全3回に分けてお届けします。
若い世代は自助努力の大切さを感じている
成毛眞さん(以下、成毛) 今回、2040年の女性の生き方をテーマに語っていきたいと思うのですが、SHELLYさんは、20年後のことって想像できますか?
SHELLYさん(以下、SHELLY) SDGsも2030年の達成を目標に掲げていますから10年後くらいのことはなんとなく想像できます。でも、20年後となると見当がつかないですね。
成毛 僕は今年『2040年の未来予測』という本を出したんですが、実は、数年後の未来よりも20年後のほうが予測がつきやすいんです。例えば、巨大地震の可能性が高まるし、少子高齢化が進み、テクノロジーもさらに進化していることは間違いない。ただ、人間の人生で考えると、20年後の自分がどうなっているかは予想しづらいし、それに向けて準備している人も意外と少ないと思うんです。年金問題にしても20年後には破綻しているんじゃないかという予測をする人もいます。次世代の子どもたちは大変なときに生まれちゃったなと思うこともあるでしょう。

SHELLY 私は、学生の頃から「年金はないと思え」といわれてきた世代なので、将来は年金暮らしで安泰、という発想は全くないんです。子どもたちにも、「払わなきゃいけないけど、期待はしないようにね」と伝えるつもりです。
成毛 僕らの世代は、「将来は年金があるから悠々自適に暮らせる」と思っている人が大半だったけれど、若い人たちは、自助努力や自己責任の重要性をひしひしと感じている世代。逆に言えば、新しい生き方や働き方が生まれてくるんじゃないかと、実は僕は期待しているんです。
SHELLY 確かに、年金に頼らず老後の生活について自分たちで準備しようと考える人が多かったり、経済的に安定して早期リタイアするFIRE(Financial Independence, Retire Early)がはやっていたりと、そもそも人生のプロセスに対する考え方が以前とは随分変わってきているという印象があります。
成毛 そういった生き方の変化は、女性のほうが大きくなる、という側面もありますか?
SHELLY そうですね、私はもう少し若い人たちに「変わってほしい」と思います。残念なことに今の日本の法律や社会のルールは、男性より女性に少し厳しいと思うんです。