「会社の受付はきれいな女性」はもう古い
成毛 今、米国もジェンダーをはじめとするマイノリティーへの差別問題で揺れていて、なかには、日本以上に差別意識が強い地域もありますね。
SHELLY 私は父親が米国人なので、米国のニュースに触れる機会が多いのですが、ここ10年くらいの米国を見ていると「日本は絶対こんなふうにならないで」と思うことが多々あり、だからこそ声を上げてきたという経緯もあります。米国はすでに分断が深刻化して手がつけられない状態ですが、日本はまだそこまでではないから、今しっかり向き合って根本から直していくことが大切です。

成毛 これまで日本は、米国をテンプレートにしてきたけれど、ジェンダー問題では米国よりもむしろニュージーランドや北欧などを参考にするのがいいかもしれませんね。
SHELLY 日本はジェンダー問題で、これだけ世界に後れを取ってしまったからこそ、思いきって変えないと追いつかない。もうその時が来ましたよと、みんなに気づいてほしいです。
成毛 このイベントがジェンダー問題を考えるひとつのきっかけになるといいですよね。でも、やっぱり背景のパネルはピンクですけど。

SHELLY 確かに、ピンクが女性の色というのは誰が決めたの?ということですね。ルッキズムにもつながるのですが、そういうことにいちいち気づいて視野を広げていくことが大事なステップだと思います。実際、私も子どもが生まれてから、こうした課題に向き合うことがすごく増えました。男の子はブルー、女の子はピンク、制服も女の子はスカートというのが当たり前になっているけれど、なぜ分ける必要があるのだろうと。
成毛 無意識でやっていることも多いですよね。例えば、先日ある企業の新入社員の記念写真を見たのですが、前列が女性で男性が後ろのほうに立っている。そもそもなぜ男女を分けるのかということに疑問を持っていないんですね。でも、意外とそういう会社が女性登用に積極的な会社だったりするから罪深い。
SHELLY 会社の受付が女性ばかりなのも違うかなと。そもそも「会社の顔はきれいな女性であらねば」という感覚もすごく古いと思うし、女性は見た目が大事ということをシンボリックに伝えてしまっていますよね。