「利益が見えない事業に投資はできない」投資会社の正論に挫折するも見つけた別の道

―― どのように資金調達にこぎつけましたか?

森本 始めは、ベンチャーキャピタル(成長が見込まれる未上場のベンチャー企業やスタートアップ企業へ投資する会社)に相談しました。20件以上と交渉しましたが、利益が見えにくい事業という理由で調達には至りませんでした。そのとき共通して「本屋なの?マッチングなの?どちらかに絞らないと事業がボケるよ」と言われました。

 私は「本」と「マッチング」がやりたかったので、どちらかに絞る必要性をどうしても感じられませんでした。投資会社は利益を生まない事業に投資はできないので、当たり前の指摘でした。ですが、私の目標は「まずは自分の信じたロマンチックを事業にしてみる」だったので、事業の作り方が違うかもしれないと感じて、ベンチャーキャピタルへの交渉をやめました。

「『利益を生むか』が基準の投資会社と『ロマンチックな体験』の先に利益を生みたい自分との考え方の相違が明らかになり、投資会社への商談をやめました」(森本さん)
「『利益を生むか』が基準の投資会社と『ロマンチックな体験』の先に利益を生みたい自分との考え方の相違が明らかになり、投資会社への商談をやめました」(森本さん)

 それでもやっぱり、お金がないと自分の作りたいものを作れないし、会社も存続できない。その時に考えた交渉先が、出版・書店業界へのアプローチでした。紙媒体が売れなくなってから、書籍の業績不振は知られるところでしたので、出版・書店業界の新たな事業として興味を持ってくれるのではないかと思いました。その話をした会社の一つが、本の仕入れ先であるトーハンでした。

 門前払いかな……と思いましたが、事業内容に興味を持ってもらえ、相談してから約4カ月で出資実行となりました。トーハンとして初めての、小さなベンチャー企業へのスタートアップ期の投資が弊社というのは本当にうれしいですし、ちょっと誇らしいです。