未知子はもっとシンプルでいい
2年ぶりの『ドクターX』も順調に回を重ねている。今回、米倉はドラマでも能動的に意見を出している。その中で特に新しかったのが、未知子が「年を重ねていく」、そのリアルを表現したいという点だ。
── 『ドクターX』も7シーズン目になります。今回、未知子という役について、改めてどう見つめ直しましたか?
米倉 未知子はもっとシンプルでいいんじゃないかと思っていたんです。シリーズが進むにつれてどんどんコメディー化していっている部分があるんですが、面白おかしく皆を笑わせようというノリではなく、「もっと体と向き合う」ことを思い出したいというか。
笑ってくれるのは、真剣に演じているからだし、もちろん西田(敏行)さんとかエンケン(遠藤憲一)さんのシーンはお2人が動いているだけでも面白いじゃないですか(笑)。それに対する真剣な部分とで緩急を出せればと。未知子には本当に「ただ救いたい」っていう思いがあることが大事なんじゃないかと感じています。
あとは、未知子も年を取ってきているというか……。(岸部一徳が演じる、未知子が所属する神原名医紹介所の所長・神原)晶さんも、もしかしたらスキップがちょっとできなくなってきたりとか、未知子も視力が落ちてきて見えづらくなってきたりとか。そんなリアリティーも大切にしたいと思っています。
私が年齢を重ねているのと同様、未知子も、見てくださっている皆さんと同じように年を取っていく……そうしたほうが皆さんにもっと身近に見ていただけるんじゃないかと。
視力が悪い医師の先生にお話を伺うと、ルーペを付けているときのほうが焦点が合っているから、終わった後にめまいがすることもあるそうです。そういう年齢を重ねていくことで、実際にある感覚や要素を、このドラマで取り入れていけたらと思っています。
文/細谷美香、平島綾子(日経エンタテインメント!編集部) 写真/アライテツヤ スタイリスト/野村昌司 ヘアメイク/奥原清一