1万5000人へのアンケート、独立後は年に750着を試着

 本間さんは大学卒業後、大手ランジェリーメーカーに入社。半年間、販売の現場で研修をする。「販売現場ではさまざまなご年齢、体形のお客様を接客・フィッティングしました。この経験が私の知見の土台になっています」。研修後はECの部門に配属され、サイト店長として毎年2~3シリーズのWeb 限定商品の開発を担当した。

 「毎年、1万5000人の会員様へユーザーアンケートを実施し、その声を商品にしていくプロジェクトでした。デザインと機能面の両立を意識し、アンケート結果からお客様の潜在・顕在ニーズを分解して商品にしていく。1年目からお客様の声を直接聞きながら商品開発できる恵まれた環境だったと思います」

フィッティン代表の本間佑史子さん。「店頭に並ぶ商品の開発はベテランの先輩たちの知見をもとにしたアイデアが反映されます。一方ECはお客様アンケートをベースにした独自の売れ筋データがあったので、1年目の私でも製品開発を任せてもらえました」
フィッティン代表の本間佑史子さん。「店頭に並ぶ商品の開発はベテランの先輩たちの知見をもとにしたアイデアが反映されます。一方ECはお客様アンケートをベースにした独自の売れ筋データがあったので、1年目の私でも製品開発を任せてもらえました」

 将来は独立したいと宣言し、社会人6年目にその夢をかなえる。その頃には自らサイト制作も行い、電話の受け答えといったお客様対応の基本から、ECビジネスで必要なスキルまで360度任せてもらえるようになっていた。

 フィッターとして独立した本間さんがまず行ったことは、ブラジャーの各ブランドの研究だ。毎月30点ずつ、購入や来店をするなどして、年間最大750着ほどを自ら試着。

 「さまざまな会社・ブランドで下着を出しているので、同じ3/4カップのブラジャーといっても違いがあります。ブランドによってはサイズアップしていくとワイヤの形状が変わるものも。計測器で伸縮性を計測し、ブラジャーを分解してワイヤの形状などを調べ、マップにまとめました。このデータをもとに接客を始めたんです。これまで400人近くにフィッティングをさせてもらいました」

 このデータが面白いとメーカーから声がかかり、フィッターとしての仕事以外にも、オーダーメイドランジェリーの製造販売をしたり、ブラジャーのサイズを判断するシステムを開発したりと、下着に関するさまざまなサービスを手がけた。そこで出合ったのが今回のプロジェクトだ。