食後に血糖値が急上昇するのが「血糖値スパイク」。長年続くと、脳卒中や心筋梗塞、がんなどにかかる危険性が高くなるので早めの対策が大切です。今回は、血糖値スパイクとはなにかを解説します。

太る生活が招く“血糖値スパイク”とは
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血糖値スパイクを抑えるには、食事を抜かないことも大切【2】
“血糖値スパイク”を防ぐ運動術 食後がポイント【3】

血糖値スパイクとは?

 最近、テレビ番組などがきっかけで「血糖値スパイク」が注目されている。血糖値スパイクとは、食事の後に血糖値が急激に上がることを指す。東京慈恵会医科大学の西村理明主任教授は、「健康な人は、食事をしてもあまり血糖値が上がらない。ところが空腹時の血糖値は110mg/dL以下と正常なのに、食後1時間たったころ、血糖値が急上昇して140mg/dLを大きく超える人がいる。こういった現象を血糖値スパイクと呼んでいる」と話す。これまでも「食後高血糖」と呼ばれ、糖尿病の一歩手前の段階に見られる状態の1つと見なされてきた。

食後の血糖値が140mg/dL以上は要注意

健診では血糖値やHbA1cの値が正常だったのに、食後1時間の血糖値を測ると140mg/dL以上に。その後、血糖値は正常に戻る。このような急激な変動が血糖値スパイクだ。頻繁に繰り返すとさまざまな病気のリスクを高める。グラフは取材をもとに編集部で作成したイメージ
健診では血糖値やHbA1cの値が正常だったのに、食後1時間の血糖値を測ると140mg/dL以上に。その後、血糖値は正常に戻る。このような急激な変動が血糖値スパイクだ。頻繁に繰り返すとさまざまな病気のリスクを高める。グラフは取材をもとに編集部で作成したイメージ

 空腹時の血糖値が正常な場合、職場の定期健診などでは異常とされない。「自覚症状が全くないため、長い間気づかないまま、食事のたびに血管が高い血糖値にさらされ続けると、心筋梗塞や脳卒中、がんなどの重大な病気になるリスクが高まることが分かってきた」(西村主任教授)。