食後血糖値の急激な上昇=血糖値スパイク

 血糖値が食後に上昇する状態を繰り返すと、血管の内側の壁が傷むことが実験で確かめられている。また、食事をした1時間後の血糖値が180mg/dLを超える人は、そうでない人に比べ、心臓病で亡くなるリスクが高まることが追跡調査で明らかになった。

 ではなぜ血糖値スパイクが起きるのか。そのカギは血糖値を下げるホルモン「インスリン」が握っている。食後、血糖値が上がり始めると、すぐにインスリンが分泌され、血糖値を下げようと働く。

血糖値の上昇によって分泌されるインスリンは、糖の取り込みを促す

血糖値が上がり始めると、膵臓が検知してすぐにインスリンを分泌する。インスリンはさまざまな臓器に糖を取り込むように促し、血糖値が下がる
血糖値が上がり始めると、膵臓が検知してすぐにインスリンを分泌する。インスリンはさまざまな臓器に糖を取り込むように促し、血糖値が下がる

 だがインスリンが十分に出ないと、血糖値は下がるどころか上がり続けてしまう。日本人はインスリンが出にくい人種といわれる。

白人に比べて日本人はインスリンを分泌しにくい

 日本人などアジア人は、もともとインスリン分泌量が少なく、糖を取り込む力が弱い。健常人、糖尿病予備軍(境界型)とも白人の半分以下だ。

データ:Diabetes;49,6,975-980,2000/Metabolism;53,7,831-835,2004
データ:Diabetes;49,6,975-980,2000/Metabolism;53,7,831-835,2004