回数が少ない、出すのもつらい……。女性ホルモンやダイエットの影響で女性に多い「便秘」。薬の量が増えたり、ストレスで悪化したりしている人は放置せず、まずは生活改善を心がけましょう。今回は、便秘の基本を紹介します。

・便秘の基礎知識 便秘は、心の健康にまで影響する  ←今回はココ
・便秘のセルフケア うんち日記が効果的
・病院に行けば、便秘薬は豊富 便秘の治療法

スッキリ出ない=「便秘」。腸の動きが鈍くなり、ストレスでも悪化

 毎日、出るには出るけど、コロコロ便が少しでスッキリしない。しかも出すのに一苦労……。何日も便通がないことだけが便秘と思いがちだが、これも立派な便秘。自分が便秘かチェックしてみよう。

【チェック!】こんな症状が続く人は便秘かも
□薬を使わない自発的な排便が週に3回未満
□便が硬い、コロコロ便
□排便時に強くいきむ
□残便感がある
□ストレスがあるとひどくなる
□腹痛があり、便が出にくい
□便秘と下痢を繰り返す

 排便回数が少ないのはもちろん、出すのに四苦八苦、スッキリしない人も実は便秘。上の青字3つに当てはまる人は、過敏性腸症候群の便秘型の可能性が大。

 横浜市立大学大学院肝胆膵消化器病学教室の中島淳主任教授は、「便が硬く、強くいきまないと出ない、時間がかかる。このような排便困難型が、慢性便秘の約7割を占める」と話す。

 2017年に公表された「慢性便秘症診療ガイドライン」によると、便秘とは「本来出すべき便を十分量かつ快適に排出できない状態」と定義されている。たとえ毎日出ていても便量が少ない、残便感がある、出すのがつらいなら便秘というわけだ。排便困難型はいわば“いきみ便”、従来の便秘イメージである排便回数減少型は腸の動きが遅い“もたもた便”といえる。これらが重なることも多い。

便秘の“症状”は2種類
食べたものは大腸で流動体からかゆ状、固形状へと性状を変え、通常、食後24〜72時間ほどで便として排出される。腸の動きが悪いと、このプロセスに時間がかかり、便も硬くなる。
“もたもた便”(排便回数減少型)
 大腸の動きが鈍く、便が直腸まで行くのに時間がかかり、排便回数が減る。停滞時間が長いと便は硬くなる。

“いきみ便”(排便困難型)
 便が硬く、排便時に強くいきむ。便が途中で割れたりして一度に出しきれず、残便感を生じることも。

 食べたものは大腸で流動体からかゆ状、固形状へと性状を変え、通常、食後24〜72時間ほどで便として排出される。腸の動きが悪いと、このプロセスに時間がかかり、便も硬くなる。