雑音が苦手、いつもビクビクしている、悩みから抜け出せない……。非常に敏感な気質を持つ人、「HSP」に関する書籍が何冊も出て、今なお話題になっている。不安や恐怖心が強く、ささいな刺激にも反応する「敏感さ」ゆえに、疲れてしまう──。生きづらさの背景にあるものは?HSP体質とのつきあい方は? 2人の専門家に聞きました。

 くしゃみや車のクラクションなど突然の物音に過剰に驚く。匂いや光で気分が悪くなる。人の表情やため息に敏感に反応してしまう。このような気質を持つ、「HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)」というキーワードが話題になっている。

 文字通り、「非常にセンシティブな人」という概念で、米国の心理学者エレイン・N・アーロン博士が1996年に『The Highly Sensitive Person(※)』という著書を出版し、世界的なベストセラーとなった。

人口の2〜3割の割合で存在。過敏さ、傷つきやすさに悩む

 「身のまわりに存在するさまざまな刺激に対して、脳と心と体が過剰に反応してしまう。人の気持ちや場の雰囲気を察知しやすいなど直感力に優れている一方、自我(エゴ)や自他を区別する境界線が弱いために、他者に巻き込まれやすく、周囲を気遣いしすぎて疲れ切ってしまう。病気や障害、年齢や性別、国や民族を問わず、人口の2〜3割ほどHSPが存在する」と、HSPやその気質を持つ子ども(HSC)の治療を行ってきた、十勝むつみのクリニック院長の長沼睦雄さんは説明する。

<敏感あるある>小さな音が気になり、仕事や勉強に集中できない場合も
<敏感あるある>小さな音が気になり、仕事や勉強に集中できない場合も

 HSPは、精神疾患の病名ではなく、感情や行動、刺激などに反応する生まれ持った心のパターン=気質のことを言う。「敏感すぎる、という特性だけで論じる危うさから医学では取り上げられてこなかったが、それでもHSPに多くの関心が寄せられるのは、それだけ多くの人が過敏な症状に悩まされているということ」と、臨床でHSPの人の診療を行う岡田クリニック院長の岡田尊司さんはいう。

 HSPとはどのようなものかを知るために、次の「HSPセルフチェック」を行ってみよう。チェックは23項目だ。

※翻訳は『ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなた。』(SB文庫)