雑音が苦手、悩みから抜け出せない……。敏感な気質を持つ人、「HSP」に関する書籍が何冊も出て、今なお話題になっている。不安や恐怖心が強く、ささいな刺激にも反応する「敏感さ」ゆえに、疲れてしまう──。2人の専門家に聞いた、HSPが生きやすくなる心がけとは。

自己肯定感が低くなる、体の不調も起こしやすい

 前回、HSPについて詳しく解説したが、今回はHSPの人がどういった心がけでラクになるのか、まとめたい。

 そもそもHSPの「生きづらさ」は、どんなところにあるのか。

「本音を出せず心にフタをしてしまうために、自己肯定感が低くなることが、生きづらさの根底にある」(長沼さん)。

 HSPは、社会全体から見れば少数派のため、弱い、繊細すぎる、と評価されることが多い。「どうして自分は人のようにできないんだろう。こうなってしまうのだろう」と、自分を責め、自信をなくしやすい。

 自分の外側にたくさんアンテナを張り巡らせて情報を受け取りすぎてしまうので、人の集まりや、雑音の中で買い物などをするとへとへとに疲れてしまう。「感覚の過剰負荷を避けるため外のアンテナを引っ込め、自分の感情があふれ出るのを防ぐため、自分が感じていることにフタをするようになる。やがて“本当の自分”を見失ってしまう」(十勝むつみのクリニック院長の長沼睦雄さん)。

<敏感あるある>大人数の集まりや飲み会が苦手で、いつも居心地の悪さを感じてしまう
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 HSPは経験が鮮明に記憶されるので、興味の対象が外側よりも自分の内面や過去に向きやすく、一人で静かに過ごす癒やしの時間が必要。「感受性が強く、豊かな内面世界を持ち、芸術や物語の世界に深く感動するのもHSPの大きな特徴。共感性が高く人を癒やす力がある一方で、すぐに人を好きになってしまったり、負のエネルギーが強い人に嫌な思いをさせられやすい側面もある」(長沼さん)。

<敏感あるある>すぐ人を好きになってしまったり、相手に依存したりしてしまう
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