キッチンには、細菌が繁殖しやすい油やホコリ、水アカなど多様な汚れが混在しています。キッチンそうじのポイントは、汚れの性質に合わせた洗剤を選び、効率よく落とすこと。食べ物を扱う場所だけに、衛生管理を徹底しましょう。

1日12分 健康を守る究極のそうじ術【1】
健康を守る「リビングと寝室」のそうじ術 カギはホコリ【2】
・健康を守る「キッチン」のそうじ術 汚れ別に洗剤選ぶ【3】←今回はココ

・洗面所・浴室は使ったら乾燥!トイレはホコリを徹底除去【4】

 「細菌の増殖には、(1)水、(2)温度、(3)湿度、(4)食べ物のカスなど栄養分になるもの、という4つの条件が必要。キッチンはそれらの条件すべてを満たすため、黄色ブドウ球菌や大腸菌など胃腸系の疾病を引き起こす病原体が多く存在する。感染性胃腸炎の感染リスクもトイレに次いで高い場所」と医療環境管理士の松本忠男さん。

こんな“病原体”がいる!
こんな“病原体”がいる!
黄色ブドウ球菌や大腸菌、毒性の強い細菌が付着するゴキブリなど、嘔吐や腹痛を引き起こす“はら痛病原体”が多数存在

キッチンのそうじは汚れによって洗剤を使い分ける!

 キッチンそうじは、汚れによって洗剤を使い分ると効率がよい。「一般家庭で最低限そろえたいのは、重曹、クエン酸、キレート剤(金属封鎖剤)入り中性洗剤の3つ。これでだいたいの汚れは落とせる」と松本さん。キレート剤は、水や汚れに含まれるマグネシウムやカルシウムなどの金属イオンを封鎖して、汚れを引きはがす界面活性剤の効きを良くする成分。入っていれば商品裏の成分表に「キレート剤」もしくは「金属封鎖剤」とある。

 例えば、シンクの白い汚れエフロは、水アカと水道水のカルシウム成分が固まったもの。エフロはアルカリ性なので、酸性の洗剤で中和すると汚れが落ちる。それゆえ、酸性の洗剤であれば、トイレ用をお風呂の水アカそうじに使ってもOKだ。

キッチンのそうじは汚れによって洗剤を使い分ける!

1. クエン酸を使いやすいスプレーボトルに

水アカは、酸性のクエン酸水で落とす。10%のクエン酸水(水300mlにクエン酸大さじ2杯を溶かす)をスプレーボトルに入れて、キッチンや浴室に置いておくと、気がついたときにすぐ使えて便利
水アカは、酸性のクエン酸水で落とす。10%のクエン酸水(水300mlにクエン酸大さじ2杯を溶かす)をスプレーボトルに入れて、キッチンや浴室に置いておくと、気がついたときにすぐ使えて便利

2. 中性洗剤はキレート剤入りがお薦め

キレート剤入りの中性洗剤には、商品裏の成分表に「金属封鎖剤」もしくは、「キレート剤」と表記してある
キレート剤入りの中性洗剤には、商品裏の成分表に「金属封鎖剤」もしくは、「キレート剤」と表記してある

3. 重曹は80℃以上で、強アルカリ性に変化

80℃以上のお湯1Lに大さじ2杯の重曹を溶かすと、強アルカリ性に。しつこい油汚れに効果を発揮する
80℃以上のお湯1Lに大さじ2杯の重曹を溶かすと、強アルカリ性に。しつこい油汚れに効果を発揮する
3分間待ってこするのがそうじ用洗剤の常識
3分間待ってこするのがそうじ用洗剤の常識
 どのタイプの洗剤も、汚れを分解するには、汚れに洗剤を浸透させる時間が必要。最低3分は待ってからこすろう。