40代からのメタボ対策が、60代以降のアルツハイマー型認知症の予防に重要だとわかってきた。アルツハイマー型認知症の予防法から、治療、家族の心得までを3回にわたって紹介する。

認知症は、脳に“ゴミ”がたまり始め20年で症状が出る
・認知症を防ぐには40〜50代でメタボ対策を【2】←本日はココ

・認知症の人に、してはいけない9カ条とは【3】

 認知症を引き起こすβアミロイドは、認知症を発症する15〜20年前からたまり始める。そのため、認知症予防は、40〜50代から始めるのが重要だという説が有力になってきた。

 認知症に大きく影響するのは、生活習慣だ。運動不足、喫煙などに加え、肥満、高血糖、高血圧といったメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)が認知症のリスクを高める。「糖尿病の人はそうではない人に比べてアルツハイマー型認知症のリスクが2倍。血管が傷むことで、βアミロイドを排出する機能が低下するためと考えられている」(慶應義塾大学医学部神経内科の伊東大介医師)。

 下記で紹介する5カ条は、伊東医師が薦める認知症予防の対策。メタボの予防・改善にも効果がある。「1日30分程度の有酸素運動は、海馬の働きの低下を抑えるなど、認知症への高い予防効果が認められている」(伊東医師)。

■認知症の発症と進行を防止する5カ条
(1)1日30分程度の有酸素運動
(2)中年期からの高血圧、高血糖、脂質異常症の治療
(3)バランスのとれた適切な食事
(4)家族、友人との社会的接触や活動の維持
(5)語学、ゲーム、音楽など知的活動を楽しむ
(伊東医師の話より構成)