40代からのメタボ対策が、60代以降のアルツハイマー型認知症の予防に重要だとわかってきた。アルツハイマー型認知症の予防法から、治療、家族の心得までを紹介する。
・認知症は、脳に“ゴミ”がたまり始め20年で症状が出る【1】
・認知症を防ぐには40〜50代でメタボ対策を【2】
・認知症の人に、してはいけない9つのこととは【3】←本日はココ
認知症は兆候が出たら早めの受診が大切
認知症は本人が自覚しにくいため、周囲の人が「おかしい」と気づくことが大切だ。兆候として、もの忘れや趣味をやめるなどの意欲の低下も見られる。「初期は症状に波があり、いいときもあれば、悪いときもある。家族はいいときにフォーカスして『大丈夫』と考え、病院の受診が遅れがちになってしまう。しかし、早期に受診すれば必要なタイミングで介護サービスも受けられる。兆候を感じたらできるだけ早く認知症専門医のいる病院へ」と横浜鶴見リハビリテーション病院の吉田勝明院長はアドバイスをする。
病院での治療は薬物療法が中心で、アセチルコリンを増やすドネペジルなどを服用する。「薬は症状を改善するが、認知症そのものを治すものではない。日常生活での意欲が向上し、施設への入所まで時期を延ばせる効果がある」(慶應義塾大学医学部神経内科の伊東大介医師)。