雨や台風、季節の変わり目など気象の変化で起きる不調も、実は自律神経との関係が深いことが判明! 「気象病」に詳しい医師が臨床の現場で効果をあげている、手軽で簡単、安全なセルフケア法を伝授します。今回は背骨のゆがみを解消して、骨格の土台から自律神経を整える方法を紹介!

気象病外来の医師直伝!「耳まわし」でめまい改善【1】
「首のばし」でストレートネックを改善し、頭痛対策【2】
・骨格の土台「背骨」から、自律神経を整える方法とは【3】←今回はココ

 長時間のデスクワークやPC作業など、現代生活は背骨がゆがむ原因にあふれている。「猫背や巻き肩、反り腰など悪い姿勢は、内臓を圧迫する。呼吸が浅くなり、冷えや吐き気などの自律神経失調症状が現れやすくなる。時間がかかるが、姿勢の改善も必要」(せたがや内科・神経内科クリニックの久手堅司院長)。

  特に肩甲骨は、硬くなりやすい胸椎の動きの要。「腕ねじねじ首のばしストレッチ」では肩甲骨を意識しながら集中的にゆるめる。姿勢を改善して、骨格の“土台”から自律神経を整えよう!

背骨の椎骨間の詰まりを取って首の土台から整える
ねじねじ首のばしストレッチ

気功法のひとつ『スワイショウ』としても知られる方法。上体を「でんでん太鼓」のようにひねり、背骨をしなやかに動かして椎骨と椎骨の間の詰まりを取ってゆがみを解消しよう。

ねじねじ首のばしストレッチ

(1)両足を平行にして、首~肩幅くらいに軽く開いて立つ。
(2)ひざを軽く曲げ、腕の力を抜いて上体ごと左にひねる。力を抜いてゆるゆる行うのがコツ。
(3)上体を正面へ戻したら右へひねり、腕を上体へからめるように交互で10回ずつ繰り返す。

×中心軸がぶれないように

×中心軸がぶれないように
上体が傾くと背骨をねじる効果が半減。体の中心軸を意識し、左右へリズミカルにひねる動きを繰り返す。

■交感神経は背骨から出入りする
交感神経と副交感神経の2つの神経系があり、交感神経は背骨から出入りする
 自律神経には2つの神経系があり、背骨、脳から枝分かれして、各臓器など全身へとつながる。活動モードを支配する交感神経は背骨の椎骨の間から出入りし、背骨のすぐ前にある交感神経幹を通る。そのため、姿勢がゆがんで背骨がズレたり、頸椎のカーブが失われるストレートネックなどで神経が圧迫されると、自律神経のバランスが乱れ、全身にさまざま不調が現れやすくなると考えられている。なお、副交感神経は、脳からの迷走神経や骨盤神経から各臓器とつながっている。