人生100年と考えると、女性の場合、ちょうど中心にくる50歳前後の閉経が大きなターニングポイントに。今からどういった考え方で、何をすべきかという“健康戦略”を紹介していきます。2回目の今回は、女性の老化は、男性とはどう違うのかということについて、データをもとに解説します。
・人生100年時代!女性は年代ごとに健康への備えが違う【1】
・人生100年時代!知っておくべき「女性の老化」の特徴【2】←今回はココ
・今から始めよう! 人生100年時代のための3つの健康習慣【3】
人生100年時代、女性にとって意識したいのは、健康寿命を伸ばすこと。「そのための対策は、60代、70代から始めるのではなく、より若いころから心がけたい」と話すのは横浜労災病院産婦人科部長の茶木修さんだ。その最も大きな節目は、50歳前後の閉経だ。
東京都健康長寿医療センター研究部長の大渕修一さんは「女性の健康寿命に影響する最大の要因は“足腰の衰え”であることがわかってきた」と指摘する。
例えば、要介護になった原因を男性と比較したところ、変形性ひざ関節症など関節疾患は男性の約3.3倍に、骨粗鬆症など骨折転倒は約1.6倍に及んだ(データ4 次ページ参照)。
こうした女性の足腰の衰えの大きな原因に、閉経期に起こる骨密度の急激な低下や関節の弱まりがある。そこで、茶木さんは「閉経前に一度、骨密度を測定し、閉経後の経過を見ておくといい」という。特に母親が骨粗鬆症の場合、娘は注意が必要だという。骨密度の推移を見て、「骨密度低下に女性ホルモンが大きく影響している人の場合は、ホルモン補充療法で早めに骨粗鬆症の対策をすることも可能だ」と茶木さんは話す。
もう一つ重要なのは、筋肉量の維持だ。大渕さんは「筋肉は、弱くなった関節をサポートしてくれる。筋肉量を維持するため、早いうちから運動習慣をつけたい。運動は認知機能低下の予防にもつながる」と話す。
閉経期には血圧が上がったり、脂質異常症になりやすかったりするが、運動は、血管ケアにも役立つ。まずは運動で、いつまでも動ける体の土台づくりを!