人生100年を時代のために最も大切なのは、運動習慣。では、ほかには? 定期的な健診、そして意外にも、社会から必要とされている実感といいます。もちろん、バランスのよい食事は大前提です。

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最も重要な運動習慣

【健康習慣1】50代以降は食事より運動
運動は骨・筋肉にも、脳にも効く!

 人生100年時代を過ごすために最も大切なのは、運動だ。関節を守ったり、骨粗鬆症対策として重要なのはいうまでもないが、運動は認知機能の低下も防ぐ。

 東京都健康長寿医療センターの大渕修一さんは「認知機能低下の予防に有効な方法として、食事、運動、知的刺激の3つが、観察研究によって示されているが、介入研究によって効果が確実とされているのは運動だけだ」と解説する。

運動習慣はこんなにいい
□筋肉・骨を鍛え寝たきりを予防
□関節をサポートして痛みを予防
□血糖を調節、糖尿病を予防
□内臓脂肪を減らす
□脳神経を刺激し、認知症を予防
□血中脂質を改善、動脈硬化を予防

 では、どんな運動をどのくらい行ったらいいのか、大渕さんは「筋トレでも有酸素運動でもいい。鍛えることが大切だ。ただ、若いときは違う。いきなり激しい運動をしてケガをしては元も子もない。自分のレベルを知り、筋肉がハリを感じる程度に筋肉を少しいじめるぐらいの強さが大切だ」という。

 ただ、その際、「筋肉に効いているか骨に効いているかを意識してほしい」と話す。筋トレはゆっくりとした運動10回を1セットとして3セットくらい、骨トレでは衝撃を感じる運動を1日50回くらいが目安だという。

 例えば、「階段の上り」。階段をゆっくり上ると、太ももやふくらはぎに負荷がかかる“筋トレ”になる。一方、「階段の下り」。速くリズミカルに下りると、このとき足から背中の骨を通って頭の先まで軽い衝撃が伝わる。これが“骨トレ”になる。

やはり足腰! 歩く速さは健康寿命に関係
体の機能のどのような変化が要介護と結びついているか大渕さんが調査したところ、関係が深かったのは「歩く速さ」「片足立ち」だった。足腰が大切というゆえんだ。

■ゆっくり上れば筋肉に効く
階段をゆっくり上ることによって筋肉に負荷がかかるのが実感できる。筋肉に軽いハリを感じる程度がベスト。速度をゆっくりにするほど負荷は大きくなっていく。

■速く下りれば骨に効く
速くリズミカルに下りると、筋肉をバネのように使う。このとき骨に加わる軽い衝撃が、骨を丈夫にするのに役立つ。足元に気をつけて下りよう。

 一方、「食事は気をつける必要がないの?」と思う人も多いだろう。大渕さんは「もちろんバランスがよい食事は大切。だが、50代以降は食事を減らすダイエットは再考してほしい。高齢者で問題となる低栄養につながりかねない」と話す。