血流アップと自律神経の切り替えがカギ

 なぜ40℃がいいのかというと理由は2つある。まずは血流の問題だ。

 「数多くの実験が、40℃のお湯につかると血流量が増えることを明らかにしている。血流量を上げるには、深部体温という体の内側の温度を0.5〜1℃上げる必要がある。私たちの平常時の深部体温は約37℃だから、それより少し高い40℃のお湯につかると、スムーズに0.5〜1℃上がる。深部体温と同じようなぬるめのお湯だと、つかっているうちに深部体温以下になりやすく、適温とは言い難い」

 逆に、お湯の温度が高すぎると、今度は自律神経の問題で適さない。自律神経のうち、交感神経が優位になると体は活動モードになり、副交感神経が優位になるとリラックスモードになる。夜、優位にしたいのは後者の副交感神経で、それには40℃のお湯が向く。40℃がいい2つ目の理由だ。

 「42℃以上の熱めのお湯だと、活動モードの交感神経が優位になる。現代社会はストレスが多くて、交感神経が必要以上に刺激されている。 いかにして交感神経のスイッチをオフにするか、ということも疲れをとるカギ

 お湯の温度は1℃の違いで体に与える効果が変わる。お風呂に温度調節機能がない場合は、「湯温計」を利用しよう。

+αの入浴テクニック01
筋肉の疲れには温冷交代浴を
 40℃のお湯に3分つかったら湯船から出て、30℃ぐらいのシャワーを30秒手足にかける。これを2回繰り返し、最後にもう一度お湯に3分つかってから出る。慣れてきたらシャワーの温度を少し下げてもいい。