覚えておこう!栄養を逃さずとる切り方
●大根やニンジンは中心部は栄養ロス?バランスよく食べるには、乱切りがベスト
「大根のビタミンCやニンジンのβカロテンは皮と皮の近くに多く、中心部に行くほど少なくなる。煮物などにする場合は、輪切りにするよりも、乱切りにするほうが栄養をバランスよくとれる」(榎田さん)。
●ニラの根元、ニンニク、タマネギは細かく切ると、血液サラサラ成分が増える
ニラの根元やニンニク、タマネギには硫化アリルが多く、細かく刻んで酸素に触れる面積を増やし、10分ほどおくと血液サラサラ効果のアリシンに変わる。「アリシンには糖や脂質の代謝に欠かせないビタミンB群の働きを高める作用も」(榎田さん)。

●ホウレン草は根元にも栄養たっぷり。きれいに洗って食べてしまおう

緑黄色野菜の王様といわれるホウレン草には、βカロテンやビタミンCが豊富。根元の部分にもカリウムやマンガンといったミネラルが豊富に含まれるので、捨ててしまわずによく洗い、丸ごと食べてしまおう。ヒゲ根は切ってOK。
●キャベツ、白菜、レタスは、ビタミンCの多い外葉から使う
「葉がピッタリ重なって育つ野菜は、緑が濃い外側の葉ほどビタミンCが豊富。切ると切り口からビタミンCが減ってしまうので、丸ごと買った場合は外側からむいて食べるようにしよう」(弥冨さん)。切ってしまったら、断面をラップで密閉して。
●ピーマンはワタに血行促進効果ある成分が

「ピーマンのワタ(種)には、血行を促進するピラジンが実の部分の10倍も含まれるともいわれる。肉のつなぎにもなるので、肉詰めにするなどして積極的に食べて」(榎田さん)。小さい種ならそのまま焼いて食べてしまえば気にならないはず。
●キノコは「洗わず調理」で、βグルカンとビタミンDをとる
「キノコに多く含まれる水溶性食物繊維のβグルカンや、天日干しでビタミンDに変わるエルゴステロールは水に溶けやすい。流出させないよう、洗わずキッチンペーパーやふきんなどで拭くだけにして」(榎田さん)。
●トマトは小さいほうが優秀?ミニトマトでリコピンを補給
大きいトマトほど栄養価が高いと思う人もいるかもしれないが、「肌や血管の老化を防ぐアンチエイジング成分のリコピンも、ビタミンBやマグネシウムも、ミニトマトのほうが栄養含有率は高い」(榎田さん)。
●水にさらすとポリフェノールが減る“ナスもゴボウ”も、さっと洗う程度に
抗酸化作用があるポリフェノールも水に溶け出やすい。「ポリフェノールが多いナスやゴボウ、レンコンなどを水につけておくと水の色が変わるのはポリフェノールが流出している証拠。水にさらさずさっと洗う程度に」(弥冨さん)。
●ネギは青い葉の部分も食べて、ビタミンCやカルシウムをとる
硬く、捨ててしまいがちなネギの青い部分。使っても煮込み料理の臭み消しに使う程度という人も多いのでは。「ネギの緑色の部分にはカルシウムやビタミンC、βカロテンも豊富。捨てずに一緒に食べてほしい」(榎田さん)。