食品を保存するのに、ただ冷蔵庫や冷凍庫に入れるだけではダメ。同じ食材でも保存法、調理法次第でおいしさも栄養価も大きく変わります。栄養を100%とる正しい保存法と調理法を、食のプロに伝授してもらいました。最終回の今回は、野菜の栄養を100%とれる調理テクニックをお伝えします。

野菜の栄養を落とさない!究極の保存術、その基本とは【1】
野菜の栄養を100%とる!究極の冷蔵テクニック【2】
野菜の栄養を100%とるための究極の冷凍・解凍テク【3】
・切り方で変わる!野菜の栄養を100%とる方法【4】←今回はココ

野菜は皮やワタごと食べる。切り方次第で栄養が減ってしまうことも

 「野菜を調理する際、いつも何気なく行っている調理工程が栄養を大幅に低下させることがある」と渋谷DSクリニックで栄養指導を行う榎田彩加さん。

 例えば、おひたしを作るときの「ゆでる」調理は、ビタミンCなどの水溶性の栄養成分をゆで汁に流出し捨てさせてしまう。

 血圧の安定に欠かせないミネラルのカリウムも水溶性。「日本人はカリウムの摂取量が低く、その一因が、日本の料理法が野菜をゆでて使うことが多いことにあると指摘する研究者もいる」(管理栄養士の弥冨秀江さん)。

【基本のルール】

 野菜の皮には、紫外線や土の中の微生物、衝突など、外からの刺激から身を守るための栄養がたっぷり。よく洗って汚れを落とし、無駄なく調理しよう。

皮もワタも丸ごと食べる

●皮もワタも丸ごと食べる
野菜の皮を捨ててしまう人も多いが、野菜の栄養は皮に多く捨てるのはもったいない。ワタや種にも栄養があるから一緒に食べる工夫を。

●野菜ごとに切り方を変える
切り方によって空気に触れる面積が変わり、それが野菜の栄養を増やしたり減らしたりすることがある。野菜ごとの適した切り方を覚えて賢く食べよう。