体幹を整える第一歩は正しい呼吸。国内外のトップアスリートを指導するトレーナーが考案した、すべての呼吸筋を使う「正しい呼吸」を身につければ自然と体幹が安定し、肩こりや腰痛といった不調も改善します。
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・5秒!バルーン呼吸で体幹がしっかり整ってくる【2】
呼吸が浅いといわれる現代人。「約90%の人が正しい呼吸ができていない」とアスレティックトレーナーの森本貴義さんは指摘する。
「1日の大半にしている安静時の呼吸は、横隔膜をはじめとする呼吸筋で行う。激しい運動時には首や肩、腰などの筋肉も働く。しかし、運動不足や精神的ストレスで心身が緊張したままだと、安静時にも、運動時に働く筋肉が使われるようになる。それが首の痛みや肩こり、腰痛などの不調や疲労の蓄積を招く」(森本さん)。つまり、そうした不調がある人は、正しい呼吸ができていない可能性が高い。
乱れた呼吸を正すのが「バルーン呼吸」。この呼吸は体幹の安定性も高めるが、その理由は、体を内側から支える筋肉が鍛えられるからだ。
「息を吸うと横隔膜が下がり、腹部にある内臓も下へ移動する。すると、下から骨盤底筋群が押し返して、お腹を圧迫する力(腹腔内圧)が生じる。この圧をバルーン呼吸は高めることができるため、腰椎しか骨がないお腹まわりを支えて体幹を安定させられる」(森本さん)。
バルーン呼吸では、まずはお腹の動きに意識を集中して、しっかりと吐くことがポイント。最初はお腹があまり動かなくても、意識して続けるうちに動くようになる。