「下肢静脈瘤」ができるのは、血管内にある血液の逆流を防ぐ弁の損傷により、脚の血液をうまく心臓に戻せなくなるから。【第1回】では、コロナ禍の運動不足や水分の取り過ぎなども、発症要因になることを紹介した。今回は、静脈瘤を進行させる血液の溜まりやむくみ、だるさなどを軽減するセルフケア法、静脈瘤のできた血管を除去する治療法について紹介する。

下肢静脈瘤の原因と対策、治療法
【第1回】コロナ禍による生活変化が「下肢静脈瘤」のリスクに
【第2回】下肢静脈瘤の治療 レーザーやグルーなど多様に←今回はココ

下肢静脈瘤を悪化させないためには、足に血液を溜めないようマッサージやふくらはぎの運動を。
下肢静脈瘤を悪化させないためには、足に血液を溜めないようマッサージやふくらはぎの運動を。

「さする・ゆする・上げる」で下肢静脈瘤の症状悪化を防ぐ

 脚の血管がボコボコと盛り上がったり、細かな血管が赤紫色に浮かび上がって見える「下肢静脈瘤」は、静脈内の弁が壊れて血液をうまく心臓に返せないことによるもの。うっ血による脚のむくみや重だるさが生じることも多く、そのセルフケアの筆頭となるのは脚の運動だ。

 運動といってもなんでもいいわけではない。「鍛えるべきはふくらはぎの筋肉。ジョギングやスクワットよりも、かかとの上げ下げの方がふくらはぎをしっかり使えるので効果的」と東京血管外科クリニックの榊原直樹連携主任はいう。