肌の乾燥を防ぐには、保湿ケアをすればするほど効果的──。そう思い込んでいませんか? 実はケアをやりすぎているせいで肌が弱っているケースも少なくないことがわかりました。今やマスクが手放せない生活。今回はマスク荒れについてお伝えします。

マスク&消毒・殺菌生活で悪化!? 顔・手・背中・かかとの4大荒れ
「乾燥肌対策の正解」
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手荒れ対策は寝る前が重要に 荒れレベル別のクリームを【3】
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マスク荒れ対策には保湿ケアを頻繁にするといい!?

 実は意外に多い、肌の乾燥対策の「間違い」。代表的なのが「水分の与えすぎ」だ。

「肌が乾燥するからといってローションをたっぷりと何度も重ねづけするなど水分を補給しすぎると、肌表面の角層がふやけて配列が乱れ、バリア機能が低下する要因になる」と、国立病院機構東京医療センター形成外科医長の落合博子さんは話す。

 最近増加している“マスク荒れ”の要因にも、角層のふやけがあるという。

マスクの内側は、自分の吐き出す息で高温多湿になりやすい。この状態が続くことで角層がふやけ、バリア機能が低下。マスクによる摩擦や刺激にも弱くなり、目には見えない“隠れ炎症”が肌内部でじわじわ進み、やがて赤みやヒリつきなどの炎症反応として現れてくる」と、津田クリニック副院長の津田攝子さんは説明する。

呼気による蒸れでバリア機能が低下。かゆみやニキビの要因にも

角層が乱れ、バリア機能が低下すると、水分が蒸発して乾燥が進み、刺激物質なども侵入しやすい状態に。かゆみを感じる神経も伸びてくる
角層が乱れ、バリア機能が低下すると、水分が蒸発して乾燥が進み、刺激物質なども侵入しやすい状態に。かゆみを感じる神経も伸びてくる

 角層は水分でふやけるとバリア機能が低下する。マスクで蒸れた後やじゃぶじゃぶ保湿した後、急に冷たい乾燥した空気に触れると角層内の水分が奪われて乾燥する。マスクがこすれることで炎症を起こしやすい。

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