女性ホルモンの減少や、スマートフォンの使い過ぎなどが、手指の痛みやこわばり、変形を招いている!? さらに頻繁な手洗いや手指消毒で手の表面はガサガサに。痛みなくラクに動かせる、しっとりなめらかな手を保つためのセルフケアを紹介します。今回は、両手に生じる不調の対策方法を理学療法士に教わりました。

一生使える手の整え方
・手の専門医に聞く 手の痛みやこわばりの基礎知識【1】
・ストレッチ、スマホの持ち方で手の痛みやこわばりを防ぐ【2】
・自分でできる筋膜ケアで、手の痛みやこわばり対策【3】←今回はココ
手の乾燥や老化を防ぐ 正しいハンドクリームの使い方【4】

手の不調に関わる筋膜は腰にかけて広がる

 手指の使い過ぎは、痛みやこわばりといった手の不調の一因。しかし、「利き手だけではなく、両手に症状が出る場合も多い。使い過ぎ以外の要因も考える必要がある」と、理学療法士で、筋膜調整サロン「TRIGGER(トリガー)」代表の半田学さんは話す。

 半田さんは、筋肉を包む膜「筋膜」が手に与える影響に着目。

 「筋膜はボディスーツのように全身を覆っている。手の場合、指を曲げる働きをする屈筋腱をはじめとする腱は筋膜とつながっている。また、その腱や神経をトンネルのように包み、それぞれの通り道になっている腱鞘や神経鞘なども筋膜とつながっている。筋膜が硬くなり、緊張が強くなると、腱だけでなく腱鞘や神経鞘も緊張し、その中を通る腱や神経も緊張することで、痛みやこわばりなどの症状につながると考えられる」(半田さん)

手に影響が出やすいポイントはここ

手の不調に影響する女性ホルモン。実は全身の筋肉を包む筋膜も、女性ホルモンの減少によって動きが悪くなる。上記の9部位を強めに押して「硬さ」と「鋭い痛み」があれば、筋膜のすべりの悪さが手の不調を招いているかもしれない
手の不調に影響する女性ホルモン。実は全身の筋肉を包む筋膜も、女性ホルモンの減少によって動きが悪くなる。上記の9部位を強めに押して「硬さ」と「鋭い痛み」があれば、筋膜のすべりの悪さが手の不調を招いているかもしれない