更年期に増える手指のこわばり、痛みの見分け方について紹介する本連載、第1回は、変形性関節症と関節リウマチ、腱鞘炎の見分け方を紹介した。第2回となる今回は、変形性関節症がなぜ更年期世代に多いのか、朝に出やすいこわばりや痛みのセルフケア法、治療法などについて紹介していこう。
手指のこわばり、痛みの見分け方と対策
【第1回】なにが原因?更年期に増える「手指のこわばり、痛み」
【第2回】「手のこわばりや痛み」は変形につながる 早めの対策を ←今回はココ
【第3回】 手指のこわばりは関節リウマチの可能性も 症状の特徴は
女性ホルモン量の急減で関節組織が腫れてこわばる
更年期世代になると、朝、手の指がギシギシとこわばったり、動かすと痛みを感じることがある。その多くは、変形性関節症の前兆である可能性が高いことを第1回で紹介した。変形性関節症は、腱や滑膜(かつまく)が腫れて関節を慢性的に引っ張り、関節軟骨が削れることで徐々に生じる。
その前兆といえる手指の不快な症状が更年期に出やすいのは、女性ホルモンであるエストロゲン分泌量減少の影響によるものと考えられると四谷メディカルキューブ手の外科・マイクロサージャリーセンターの平瀬雄一センター長はいう。「エストロゲンを月経など生殖機能にだけ関わるホルモンと思っている人も多いが、実は、全身の生理的機能をつかさどる自律神経系や骨などにも影響を及ぼすことがわかってきている」(平瀬センター長)。