更年期に見られる手指のこわばりや痛み。第1回では変形性関節症と関節リウマチと見分け方、第2回では変形性関節症の対策や治療について紹介した。最終回となる今回は、関節をボロボロにしかねない「関節リウマチ」の発症メカニズムと発症要因、治療法について紹介する。

手指のこわばり、痛みの見分け方と対策
【第1回】なにが原因?更年期に増える「手指のこわばり、痛み」
【第2回】「手のこわばりや痛み」は変形につながる 早めの対策を
【第3回】手指のこわばりは関節リウマチの可能性も 症状の特徴は ←今回はココ

「変形性関節症」と「関節リウマチ」、見分け方は発症部位

 手の痛みや変形が起こる疾患には関節リウマチもある。関節リウマチは、免疫が関節を攻撃して関節まわりに痛みや変形が起こる「自己免疫疾患」だ。体を構成するたんぱく質の一部が変化し、免疫がそれを異物とみなして攻撃するために炎症が起こると考えられていて、痛みや腫れが慢性化し、重篤化すると関節軟骨が破壊されて変形してしまう。変形性関節症との違いは、指の2番目、3番目の関節に多いこととされている。

関節リウマチはたんぱく質の変化が原因?
関節リウマチはたんぱく質の変化が原因?
関節リウマチの原因として現在有力視されるのは「たんぱく質のシトルリン化」が引き金になるというもの。関節リウマチ患者の関節まわりにある 滑膜 には、たんぱく質中のアルギニンがシトルリンに変わったシトルリン化たんぱく質が多く存在する。このことから、細胞外基質(細胞以外の構成要素)のたんぱくがシトルリン化することで、免疫によって異物と見なされ、抗体が作られるなど攻撃のターゲットになって発症するのではないかと考えられている。
自己免疫疾患は、何が攻撃対象になるかで病名が変わる
関節リウマチは、関節組織にあるⅡ型コラーゲンがおもな攻撃対象の一つと考えられているが、自己免疫疾患にはほかにも、ターゲットによってさまざまな病気がある。

ターゲットが
皮膚の場合 ・・・・・・・・▶ 筋症状のない皮膚筋炎
涙腺唾液腺などの場合 ・・▶シェーグレン症候群
筋細胞の場合 ・・・・・・・▶多発性筋炎
関節の場合 ・・・・・・・・▶関節リウマチ