一度発症すると、ズキズキ、ガンガンと痛みが続き、何も手に付かなくなることもある片頭痛。前編では、そのつらい痛みのメカニズムと、痛みの発症に女性ホルモンが関係することを紹介しました。後編では、片頭痛の治療と4月に登場したばかりの話題の新薬、発症や痛みを抑えるセルフケア法を紹介していきます。

【前編】女性に多い「片頭痛」 ホルモンの変動が発症の引き金に 
【後編】つらい片頭痛に新薬登場、発症を劇的に抑えると期待 ←今回はココ

痛みを抑える治療薬、発症を抑える予防薬

 片頭痛に使う薬は大きく分けて2種類。症状が出てから使う治療薬と、発症そのものをおさえる予防薬だ。治療薬には、痛みを抑える鎮痛薬と、過剰に広がった血管を収縮させるトリプタン製剤やエルゴタミン製剤がある。予防薬には主に血管拡張を抑える薬が用いられる。


痛み始めにのむと効きがいい「片頭痛治療薬」

●痛みそのものを抑える鎮痛薬
頭痛の痛みや諸症状を抑える薬。片頭痛の場合、痛み始めたらなるべく早く服用することが効きを良くするポイント。ただし頻回に使うと難治性である薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)を招きやすい。

●血管を収縮させるトリプタン製剤、エルゴタミン製剤
痛みのピークを抑える作用をもつ発作頓挫薬。痛み始めにのむものだが、タイミングが早すぎても遅すぎても効かず、人によってはまったく効かない場合も。鎮痛薬同様、頻回になると薬物乱用頭痛になる恐れあり。


血管の拡張を抑え発症を防ぐ「片頭痛予防薬」

新薬以外ではCa(カルシウム)拮抗薬、抗てんかん薬、β遮断薬、抗うつ薬、漢方薬などがあり、すべてのみ薬。抗てんかん薬は妊婦への投与不可。血管の異常な拡張を抑えたり、CGRPの放出に関係する神経伝達物質セロトニンの働きを安定させたりするなどの作用をもつ。

 この4月に登場した抗CGRP抗体製剤の「エムガルティ」は片頭痛予防薬に当たるが、従来の予防薬に比べ格段に片頭痛の発症を抑えると期待を集めている。次ページで詳しく紹介していこう。