帯状疱疹になると、なんといっても辛いのが発疹周辺に出る痛み。この痛みは、皮膚症状が改善したあともしばらく残ってしまうことがあります。痛みを残さないためには、早いタイミングで適切な痛み対策を行うことが大事だそう。帯状疱疹のメカニズムや治療法、若年層で増えている理由を紹介した前編「ワクチン浸透で増える帯状疱疹 新型コロナも引き金に」に引き続き、今回は、辛い痛みの対処法、そして、帯状疱疹にならないための予防ワクチンについて紹介していきます。

【前編】 ワクチン浸透で増える帯状疱疹 新型コロナも引き金に
【後編】 帯状疱疹の痛みはガマンNG 50歳からは予防ワクチンも ←今回

痛みのピークはいつまで? 発疹が治っても消えない神経の痛み

 帯状疱疹で一番つらいのは、痛み。ピリピリと焼けるような痛み、チクチクと刺すような痛み、ビリビリと電気が走るような痛み、キューっと締め付けられるような痛み……と、痛みの感じ方はそれぞれだが、強い痛みで夜も満足に眠れなかったり、患部に服がこすれるだけで激痛が走ったりして、生活に支障が出る人も珍しくない。

 処方してもらった抗ウイルス薬と鎮痛薬を服用すると、皮膚症状の改善とともに痛みも消えていくことが多いが、なかには痛みだけがしつこく残ってしまうことも。つらい痛みが3カ月以上続くのを「帯状疱疹後神経痛」といい、50歳以上で帯状疱疹を発症した人の約2割が経験するといわれる。

「これを防ぐには、痛みを我慢しないことが重要。処方された鎮痛薬をのんでも痛みが収まらない場合や、発疹が治った後も強い痛みが続く場合は、早めにペインクリニックなどで治療を」と順天堂大学医学部麻酔科学・ペインクリニック講座の井関雅子教授は話す。

 痛みは、「侵害受容性疼痛」「神経障害性疼痛」に大別される。前者は傷や打撲などによるもので、痛み物質が末梢神経にある侵害受容器という場所を刺激して起こる。帯状疱疹の初期の痛みは、皮膚の炎症などによる侵害受容性疼痛が中心だが、ウイルスによる神経の炎症が進むと神経自体がダメージを受けるため、神経障害性疼痛も出てくる。焼けるような痛みや電気が走るような痛み、感覚鈍麻などは、まさに神経の損傷によるものだ。

 「帯状疱疹後神経痛は神経障害性疼痛の代表ですが、実は発疹が出ている最中の痛みにも神経障害性疼痛が混じっています。痛みが激しい場合は、神経の炎症から神経障害につながる可能性があるので注意してください」(井関教授)。


神経が損傷すると痛みが長引きやすい
神経が損傷すると痛みが長引きやすい
ウイルスによる神経の損傷がひどいと、帯状疱疹後神経痛に移行しやすくなる。リスクが高いのは、発疹が出る前の前駆痛や発疹出現後の帯状疱疹痛が強い、皮膚症状が重症、また発症から2~3週間後に患部の感覚鈍麻がある場合。心当たりのある人は、できるだけ早く痛みに対する治療を始めたい。(図は取材を基に作成)