口の開閉時に痛みや違和感が生じる顎関節症。第1回では、その症状や原因について紹介しました。今回は、痛みや開口障害を軽減するマッサージ法やトレーニング法、顎関節の負担を減らすための習慣などについて紹介していきます。

【前編】 口が開かない、音が鳴る「顎関節症」 原因はあのクセ?
【後編】ストレスも影響 顎関節症対策のストレッチ&あごトレ ←今回はココ

顎関節は「動かす」ことで慣らすべし

 口を開けると顎関節が痛みが生じたり、顎関節に引っ掛かりを感じる、口が大きく開かないなどの「顎関節症」。その原因は、顎関節のクッション的役割をする関節円板のズレや、ものを噛むときに使う「咬筋」などの緊張や腫れが原因ということを前編で紹介しました。では、痛みや開口障害を改善するにはどうしたらいいでしょう。

 ずれてしまった関節円板を元の位置に戻すことは難しいのですが、「ずれていても、それ自体はさほど問題ではありません」と日本大学松戸歯学部クラウンブリッジ補綴学講座の小見山道教授。たとえ関節円板がずれていても、「あごまわりの筋肉を整えたり、あごに負担をかける生活習慣を見直したりすることで、顎関節症の症状は大半が軽快します」といいます。

 グリーンデンタルクリニックの島田淳理事長も「顎関節症はどんどん悪くなる病気ではなく、自然に良くなることも多いのです。だから安易に歯を削ったりあごを手術したりなど高負担で後戻りできない治療に飛びつくのではなく、まずはセルフケアから始めていきましょう」と強調します。

 ケアの基本はまず「動かす」こと。顎関節症を疑う人は、口が開けにくいから、音が鳴るからと気にして、動かさないほうがいいと誤解しがちですが、「一番よくないのが口を開けなくなること。動かさないでいると関節の可動範囲が狭まったまま周りの筋肉などが固まってしまい、ますます開かなくなってしまいます」と小見山教授。関節円板がズレている場合も、口をしっかり開け閉めして関節円板を動かすようにすれば、徐々に適応して顎関節がスムーズに動くようになるといいます。