仕事や家事でミスを繰り返したり、すぐ感情的になっては「またやっちゃった!」「いつもこう……」と自己嫌悪に陥って、苦しんではいませんか。もしかしたら、それはただの不注意やイラつきによるものではなく生来の“脳の特性”によるものかもしれません。その特性が理解できれば、ミスを防いだり、困難から抜け出す道もあるようです。そんな脳の特性、「発達障害」について、3回に分けて紹介していきます。

大人の発達障害の見極め方と対処法
【第1回】 「当たり前」ができないのは脳の特性? 大人の発達障害←今回はココ
【第2回】 空気が読めないASD&落ち着きのないADHD
【第3回】 “自己否定感”に押しつぶされないために 発達障害の対処法

Check! その生きづらさは「発達障害」が原因かも
□ 一生懸命なのに、ミスやもの忘れが多い
□ 仕事や家事など、やるべきことはわかっているのに手の付け方がわからず、取っ散らかっている。
□ 忙しいわけでもないのに、いつも落ち着きがない
□ 空気を読めないといわれたことがある
□ 相手を怒らせるなど対人関係のトラブルが多い
□ 思いつきで行動し、中途半端で終わって後悔することがよくある


上記にあげたのは、発達障害でよくみられる悩みやトラブル。共通しているのは本人はいたって真面目で悪気がないのにうまくいかないという点だ

 まわりとのコミュニケーションがちぐはぐで、意思の疎通がしにくい。やるべきことはわかっているのにミスやもの忘れが多く人一倍手間取る、真面目にやっているつもりなのに叱責されるなど、誰もが当たり前のように難なくこなしていることが自分にはできないと悩み、自己否定感を抱えている──。そんな「できない自分」の背景には発達障害が潜んでいるかもしれない。

 発達障害の症状や対策法に詳しい昭和大学発達障害医療研究所の太田晴久准教授は、「発達障害とは、生まれつきの脳の特性に起因するもの」と説明する。そして、「ひと口に発達障害といっても、人によってその特性はさまざまで、特徴別に大きく3つに分けられる」という。

 まず、こだわりが強く、コミュニケーション下手なASD(自閉スペクトラム症)、落ち着きがなく注意力散漫になりがちなADHD(注意欠如・多動症)、最後が、読み書きや計算などの理解に困難が伴うSLD(限局性学習症)だ。