上半身と下半身をつなぐ、人体最大の関節「股関節」。 ここ数年、そんな股関節があらためて注目されています。その理由は、股関節の動かし方のクセを取ったり、股関節まわりの筋肉をしっかり鍛えることで、スタイルの改善にも将来の健康にも役立つから。そんな股関節の覚えておきたい基礎知識と、基本のケアをご紹介します。
長く自分の脚で歩くために大切な「股関節」
ここ数年のおこもり生活による運動不足、テレワークによる座りっぱなしによって、最も影響を受けた関節は、股関節かもしれない──。
股関節は、人間の体の中心にある「球関節」だ。球関節とは、骨の丸い先端が、カップ状のくぼみにハマっている形状の関節のこと。その形状のため、自由度は高くなり、股関節は脚を自在に動かせる。「走る」といったダイナミックな動きも、「歩く」などの日常生活に欠かせない動きにも、その源には股関節がある。
その一方で、自由度が高いために不安定になりやすい側面もある。それをがっちりと支えるのが、20以上もある股関節まわりの筋肉だ。長く歩くために必要な股関節を「守る」には、この、まわりの筋肉がしっかりしている必要がある。
ところが歩く量が減るなど、運動不足だと股関節のまわりの筋肉をあまり動かさないことに。そして、座りっぱなしだと股関節は折り曲げたままで、筋肉もサボりがちになってしまう。それが今の股関節の状況だ。では、どうやって股関節を大切にしていくといいのだろうか。次ページから紹介しよう。