北里大学東洋医学総合研究所の伊藤剛さんの研究で、冷えの基本的なタイプは4つに分けられると判明! まずは、自分がどのタイプかを知り、それに合わせた対策を行うことが、冷え解決への近道です。今回は4タイプ別の冷え対策の方法を紹介します。

科学的な冷え研究からわかった!冷えには4つのタイプ【1】
・科学的な冷え研究による「タイプ別の冷え対策」とは【2】←今回はココ

 冷えのタイプは「下半身型」「四肢末端型」「内臓型」「全身型」の4タイプに分類されるが、今回はタイプ別に改善方法を紹介する。前回紹介したチェックテストで自分の冷えパターンの改善法をやってみよう。

冷えのパターン【A:下半身型】

座りっぱなしが原因のひとつ。お尻の筋肉を伸ばせば改善

 下半身型冷えの原因は、下肢に熱をうまく運べないことだと、北里大学東洋医学総合研究所の伊藤剛さんは話す。

 「長時間座る生活や老化によって、お尻の硬直した梨状筋(りじょうきん)などが坐骨神経を圧迫。その結果、足の交感神経が刺激されて血管が収縮し血流が減るため、冷えてしまう。熱量不足が原因ではないため、単純に足を温めてもだめ。梨状筋をほぐすことが最も大切」

 梨状筋のストレッチやツボ押しを習慣にしよう。

こんな対策がお薦め!
●梨状筋ストレッチ&ツボ押し
●漢方治療、鍼灸・指圧治療

お尻の梨状筋のあたりを押してみて痛いと感じる人は、硬くなっている可能性大。梨状筋をほぐそう。

下半身型の人は梨状筋が硬くなっている!
下半身型の人は梨状筋が硬くなっている!
 梨状筋とは、大殿筋の下にあるインナーマッスルで、股関節を動かす筋肉のひとつ。坐骨神経は腹腔内から骨盤を貫き、梨状筋の後ろを通り、太ももから足先まで伸びている。この神経内には、足の筋肉を動かす神経や感覚を伝える神経と、交感神経が含まれる。座りっぱなしでいると、梨状筋が硬くなり、坐骨神経を圧迫。ひどくなれば、坐骨神経痛を引き起こすことも。
自律神経の状態は…下半身の交感神経は緊張、血管が収縮し下肢が冷える。上半身が副交感神経優位だと、上半身の血流は増え「冷えのぼせ」を伴いやすい
自律神経の状態は…下半身の交感神経は緊張、血管が収縮し下肢が冷える。上半身が副交感神経優位だと、上半身の血流は増え「冷えのぼせ」を伴いやすい

【対応する漢方薬の例】
・牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)下肢の冷えが強く、しびれもあるときに。
・八味地黄丸(はちみじおうがん)足腰の弱った中高年の下半身の冷えに有効。
・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)血行が悪く下半身の冷えと上半身ののぼせがあるときに有効。
・鼠蹊活血湯(そけいかっけつとう)血行が悪く、下半身だけでなく上半身の凝りが強い場合にも。