健康や美容の最新情報を追う「日経ヘルス」から、いま注目を集める商品やサービスを紹介するTREND FOCUS。今回は、メイクをほとんどしない人でもこれだけは使っているであろう「日焼け止め」。新作の中から、特徴的なアイテムを紹介します。

スピルリナエキスが紫外線を「肌にいい光」に変換

 マスク生活であまりメイクをしなくなったら、シミやくすみがますます気になるようになった……。そんな素肌のエイジング対策の基本といえば日焼け止め。

 SPFやPAで示される紫外線防御効果は最高値でありながら、肌の明るさや透明感を高めるタイプや、泡で素肌に伸びやすいもの、医薬品にも使われる保湿成分を配合したものなど、特徴的なアイテムが登場している。

 オールインワンコスメが人気のいま、ほぼ毎日使う日焼け止めも多機能化が進み、化粧下地や美容液、花粉など大気中の微粒子からの保護機能は、もはや当たり前のようになっている。

上段左から「アネッサ デイセラム」、ヘパリン類似物質配合の「matsukiyo LAB フリーラボ 薬用UV ジェル(医薬部外品)」、混合肌向けのトーンアップ「UVイデア XL プロテクショントーンアップ クリア」、伸びのいい泡状で出る「サンカット プロディフェンス オールインワンUV ムース」。下段左から「アリィー クロノビューティ ジェルUV EX」、「スキンアクアネクスタ シールドセラムUVエッセンス」。
上段左から「アネッサ デイセラム」、ヘパリン類似物質配合の「matsukiyo LAB フリーラボ 薬用UV ジェル(医薬部外品)」、混合肌向けのトーンアップ「UVイデア XL プロテクショントーンアップ クリア」、伸びのいい泡状で出る「サンカット プロディフェンス オールインワンUV ムース」。下段左から「アリィー クロノビューティ ジェルUV EX」、「スキンアクアネクスタ シールドセラムUVエッセンス」。

 2022年の注目は、「アネッサ デイセラム」に応用された「太陽光を変換して味方にする」世界初の技術だろう。光合成に着想を得たという新技術のカギとなるのは、地球上で初めて光合成をしたとされる藍藻類の「スピルリナ」。

 スピルリナは、光をエネルギーに変える葉緑体を持っている。そのエキスで紫外線を「美容効果のある可視光」に変換する新技術によって、真皮細胞が活性化してコラーゲンやヒアルロン酸の産生を高めたり、蛍光酸化亜鉛との組み合わせで肌内部の炎症を抑えて光老化を防いだりできるという。

 マツキヨラボからは、人気の保湿成分「ヘパリン類似物質」を配合したアイテムが登場。日焼け止めを塗ると肌の乾燥が気になるけれど、使用感は軽いジェルタイプが好みという声にこたえている。また、コーセーのサンカットシリーズには、軽くて伸びのいいムース泡タイプが新たに加わった。

 一方、ファンデーションなしでも肌をトーンアップさせる、「美肌系」の日焼け止めも人気だ。敏感肌向けスキンケアブランド、ラロッシュ ポゼのトーンアップUVシリーズには、テカリも乾燥も気になる「混合肌」向けのアイテムが新登場。べたつきがちなUV防御成分を水分を多く含む膜で包み込む独自の「イヌテックテクノロジー」によって、保湿感とさらさら感を両立できるのだとか。テカリではなく、ツヤのある明るい肌に導いてくれそうだ。

環境配慮関連規制はさらに強化される?

 マリンスポーツをたしなむ人にとって、日焼け止めは必需品。近年、日焼け止めに含まれる一部の成分について、サンゴなど海洋生物への有害性が指摘されるようになり、国内でも、環境に配慮した処方の商品が増えてきた。

 米国・ハワイ州やタイなどでは、紫外線吸収剤成分の「オクチノキサート(メトキシケイヒ酸エチルへキシル、OMC)」などがサンゴ礁の白化現象の原因になるとし、販売や使用が規制されている。最近では、紫外線防御剤の酸化亜鉛も、ナノ化されていないものが望ましいとする指摘も出ている。海辺でも使用するアイテムなだけにさらなる規制強化の可能性もありそうだ。

 次ページから具体的な商品を紹介しよう。