ステイホームによるネット利用の広がりと共に、増え続ける詐欺メールやなりすましアカウント。本物と見分けがつかないほど巧妙につくられたものも多く、気をつけているつもりでも、だまされてしまう可能性があります。どのように見分け、対処すればいいか、成蹊大学客員教授でITジャーナリストの高橋暁子さんに、実例を交えて教えてもらいました。

 「おめでとうございます!当社の家電製品当選者に選ばれました。賞品を受け取るには以下から登録お願いします」──応募した覚えのない企業からの当選メールやダイレクトメッセージが届いたこと、ありませんか?

 同様のメッセージをインスタグラムで受け取った、30代の女性がいました。夫に自慢したところ、「そういう詐欺がはやっていると聞いた。本物かどうか確認した方がいい。本当に応募したの?」と言われました。

 女性は、日ごろから複数の懸賞に応募しているため、あまり疑っていませんでしたが、念のため確認してみました。すると、その企業には正式な公式アカウントが別に存在。女性に連絡をしてきたアカウントは偽物でした。

 フォロワーも少なくて、投稿数もほとんどないアカウントでしたが、本物の公式ロゴを勝手に使用していたため、女性は気づかなかったそうです。

 このように、SNSを悪用した企業のなりすましアカウント被害が増加しています。2020年12月時点で66の企業の偽アカウントがあり、2021年になっても被害が続いています。(2021年1月19日発表トレンドマイクロの調査による)

 なりすまし被害から、私たちはどのように身を守ればいいのでしょうか。悪質サイトやメールの実態と共に説明します。