仕事術から、働き方、キャリア形成まで、専門家を講師に招き、役立つノウハウを1本、約10分間の動画に凝縮しました。今回のテーマは「初めてのリーダー」。Hitoiro代表取締役でキャリアカウンセラーの山田聖子さんに初めてリーダーになった人が直面するさまざまな課題とその解決ノウハウを聞きました。3回目のテーマは「部下への仕事の任せ方」。リーダーの仕事を部下に任せる習慣のつくり方を紹介します。

1回目 部下が「思い通りに動かない」は好機 改善の4ステップ
2回目 受け身な部下が自律的に動けるようになる4つの仕組み
3回目 「部下に仕事を任せるのが不安」という管理職への処方箋 ←今回はココ
4回目 「いきなり離職」も招く?部下のテレワーク不安防ぐには

 「部下に仕事を任せることに不安を感じる」というリーダーや管理職は数多くいるでしょう。しかし、「仕事を任せて育てること」はリーダーや管理職の重要な業務。部下に仕事を任せていないというのは、役割を果たせていないことになります。

 リーダーや管理職は、今の立場になるまではプレーヤーとして実績を出すことに集中して頑張ってきたはずです。「でも、管理職になったらプレーヤーの役割は卒業して、管理職として成果を出していく必要があります」(山田さん)

 リーダーや管理職になったばかりの人は、部下に仕事を任せながら業務を遂行するという成功体験がなく、ついプレーヤー時代と同じ「自分で動く」という方法で成果を出すことを考えがちです。「私がお手本にならなければ」「チームを鼓舞しなければ」といった思い込みからプレイングマネージャーになり、本来の自分の良さや力を発揮できないことがあります。

 でも、初めてリーダーや管理職になる人は、その仕事の初心者です。最初は、新しいことにチャレンジする苦しさややりづらさを感じたり、失敗してへこんだりするのが当たり前。「最初から完璧を目指さなくてOKです。大事なのは部下に任せることに取り組む習慣をつくること。まずは3カ月間、意識と行動で、部下に仕事を任せることが当たり前になるように習慣化してみましょう」(山田さん)

 次ページの動画で「意識の習慣」「行動の習慣」に分けて、具体的な方法を解説します。

 さて、山田さんが60人の管理職に調査したところ、「自分の不安が原因で部下に仕事を任せられない」という人が93%にも及ぶことが分かりました。その不安には5つの共通点がありました。山田さんは動画の中でこの共通点について詳しく解説し、対処法を紹介します。

 その1つが、部下に仕事を任せる習慣の土台をつくる、管理職がリーダーシップを発揮するための「7段階プロセス」です。「この7つのプロセスを回し続けることでリーダーシップが高まり、部下からも信頼され、チーム力向上につながります。また、チームメンバー同士の関係向上を意識することで、より成果を挙げられるようになります。ぜひチャレンジしてみてください」(山田さん)