仕事術から、働き方、キャリア形成まで、専門家を講師に招き、役立つノウハウを1本、約10分間の動画に凝縮しました。今回のテーマは「初めてのリーダー」。Hitoiro代表取締役で管理職カウンセラー・コーチの山田聖子さんに初めてリーダーになった人が直面するさまざまな課題とその解決ノウハウを聞きました。4回目は「テレワークでの部下との信頼関係」です。対面でない分、信頼関係構築には一工夫が必要。動画で紹介します。
1回目 部下が「思い通りに動かない」は好機 改善の4ステップ
2回目 受け身な部下が自律的に動けるようになる4つの仕組み
3回目 「部下に仕事を任せるのが不安」という管理職への処方箋
4回目 「いきなり離職」も招く?部下のテレワーク不安防ぐには ←今回はココ
今回のテーマはコロナ禍に広まったテレワークにおける部下との信頼関係構築の仕方です。テレワークでも部下を信じ、部下からの信頼を得ながら共に成果を出していくためにリーダーに求められることを紹介します。
どんなにテレワークに慣れてきたとしても、テレワーク中は上司・部下それぞれに不安を抱く傾向があります。ある調査によると、テレワーク時に部下は「上司や同僚の気持ちが分かりにくい」「上司が公平・構成に評価してくれるのか」といった不安を感じるそう。一方、上司は「部下の業務進捗が不安」「気持ちを察しづらい」と回答しています。
「この『(お互いの姿が)見えない』『(お互いの状況が)分からない』が不安を助長し、信頼関係を揺るがします。上司が部下の不安を放置すると、部下は仕事に集中できず、成果が出せず、評価・他人の目が気になり、さらに不安が大きくなるという負のループに陥ります。部下のエンゲージメントや、生産性は低下。これがメンタル不調にもつながり、離職に至ることもあるでしょう」(山田さん)
この結果、部下が離職を決断した場合、上司からすると「いきなり部下が辞めた」というふうに見えるかもしれませんが、部下からすると「いきなり」ではありません。
では、このテレワーク時の「負のループ」を止めるためにどうしたらいいのでしょうか。
山田さんが重要だと語るのは「引き出し力」。部下の「感情」と「欲求」をどれだけ具体的に引き出せるか。これが部下が心から安心して成果創出に集中して取り組むための第一歩になります。引き出し力が上がると、部下が抱いている「真の問題」が分かり、リーダーの動き方も変わり、部下との信頼関係も築きやすくなります。次ページの動画では、部下の感情と欲求を引き出す力の高め方を動画で詳しく解説します。