世界の最先端を体感できる都市、ニューヨーク。この街に1996年から在住し、ビジネス・コンサルタントとして第一線で活躍する渡邊裕子さんの最新リポートをお届けします。

 2020年7月、米国史上最年少の女性下院議員アレクサンドリア・オカシオコルテス氏(民主党・ニューヨーク州、通称AOC)が、男性議員から性差別的な発言を投げつけられた事件があった。

 このとき、テッド・ヨーホー下院議員(共和党・フロリダ州)は、他の男性議員や報道関係者がいる前で、AOCに対して「むかつく(disgusting)」「頭がおかしい(you are out of your freaking mind)」、極めつきに「ファッキン・ビッチ(Fucking bitch)」と放送禁止用語を使って侮辱したと報じられている。

侮辱的発言に対して、黙らなかったAOC

 これに対し、今日の米国を代表する「わきまえない女」の一人であるAOCは、黙っていなかった。翌日、彼女が議事堂で行った約10分間の演説は、冷静でありつつも強烈な怒りに満ちており、理路整然と厳しくヨーホー議員を糾弾する、全く隙のないものだった。

 AOCは、演説の中で、ヨーホー議員のような発言を、これまでの人生で多くの男性から投げかけられてきたと話し、社会全体で女性蔑視が広く存在すること自体が問題なのだと指摘した。

「今回の問題は、これ一件の問題ではありません。問題は、女性に対する暴力と暴力的な言葉が許容され、男性が責任を問われない文化、それを支える権力構造にあります」
原文

And that's when we start to see that this issue is not about one incident. It is cultural. It is a culture of a lack of impunity, of acceptance of violence and violent language against women, an entire structure of power that supports that.

「最後に、ヨーホー氏には感謝したいと思います。権力がある男性でも、女性に対して無礼になれるということを、身をもって世界に示していただいてありがとうございます」
原文

Lastly, what I want to express to Mr. Yoho is gratitude. I want to thank him for showing the world that you can be a powerful man and accost women.

アレクサンドリア・オカシオコルテス氏(写真左)は、テッド・ヨーホー氏(写真右)の侮辱的な発言に対して理路整然と厳しく糾弾した(写真:AP/アフロ)
アレクサンドリア・オカシオコルテス氏(写真左)は、テッド・ヨーホー氏(写真右)の侮辱的な発言に対して理路整然と厳しく糾弾した(写真:AP/アフロ)