世界の最先端を体感できる都市、ニューヨーク。この街に1996年から在住し、ビジネス・コンサルタントとして第一線で活躍する渡邊裕子さんの最新リポートをお届けします。

(上)ワクチン接種で息を吹き返しはじめたニューヨーク ←今回はここ
(下)渡邊裕子 ニューヨークの劇場は秋には再開する気配

6月14日、1回ワクチンを接種した成人の率が70%に達した

 過去1カ月でニューヨークの街は一気に活気を増した。週末の夜は、深夜まで、車のクラクションや酔っ払った若者たちの声、近所のバーから漏れる音楽のリズムが聞こえるようになってきた。そのうるささも、1年前に救急車の音しか聞こえなかったことを思えば気にならないし、むしろうれしい気分になるくらいだ。地下鉄に乗る人の数も増え、渋滞はひどくなった。ジムも随分にぎわうようになってきている。

 3月には50%、5月初旬には75%とされていたレストランの屋内収容率に対する制限は5月19日に解除されたが、多くのレストランは、テーブル同士の距離を確保するため、いまだに席数を絞っている。まだ政府から失業補償をもらっている人たちも多いため、どこも人手不足な感じだ。

 クオモ州知事は、感染がかなり落ち着いた今でも、日々記者会見を開き、前日の新型コロナウイルスの総検査数、陽性者率、死者数、ワクチンの接種本数、年齢別や地域別の接種率などについてグラフを見せながら説明することを続けている。ニューヨーク州のCOVID陽性率トラック用サイトによると、6月13日現在、ニューヨーク州の新型コロナウイルス陽性率は、0.5%まで抑えられており、マンハッタンはじめ都市部ではもっと低いところもある。

 6月7日の会見で、クオモ州知事は、ある目標を提示した。ニューヨーク州で、少なくとも1回ワクチンを接種した成人の率が70%に達したら、現在残っているコロナ関連の制限を「事実上全面的に」解除すると発表したのだ。この会見の時点では、その率は68.6%と、まだ1.4%足りていなかった。

 それからちょうど1週間たった14日の夜、米国疾病予防管理センター(CDC)の発表で、ニューヨークはそのゴールを達成したというニュースが流れた。これを受け、今後、経済活動の正常化はさらに加速することになるだろう。