ITサービスのトレンドをITライターの鈴木朋子さんが解説する本連載。最終回となる今回は、メタバース(仮想空間)の活用が広がる中、リアルワールドで歩くなどしてポイントをためるITサービスを紹介します。
SDGsを意識したポイントアプリ「マイルズ」
ITの進化により、私たちは家にいながらにしてアプリでショッピングをしたり、VR(仮想現実)でコンサートを楽しんだりすることができるようになりました。
その一方で、現実世界、つまり「リアルワールド」で暮らしていることには変わりはありません。リアルワールドをより価値のあるものにするために、「暮らし」に密着したサービスが続々と登場しています。
「Miles(マイルズ)」は、移動距離に対してマイル(ポイント)がつくアプリです。パートナー企業の売り上げにつながった場合にマイルズは一部を報酬として受け取る、もしくは送客数に応じて手数料を得ることで収益を上げるビジネスモデルです。2019年に米国で正式に開始したサービスで、日本でも21年10月に始まりました。
マイルズはバス、電車、スキーには3倍の、自転車には5倍の、徒歩やランニングには10倍のマイルを付与しています。環境に優しい移動手段に対して多くのマイルを付与することで、SDGsの達成に貢献したいという開発元の思いが込められています。運動を兼ねて、徒歩や自転車で移動したい人にはぴったりのサービスです。
移動手段はAI(人工知能)で自動判定されるため、私たちはスマホを持ち歩くだけでマイルをためることができます。位置情報は取得されますが、個人情報を第三者に提供、または開示することはないとされています。