ビジネスやプライベートに役立つ、ITサービスのトレンドを、ITライターの鈴木朋子さんが解説します。今回は、私たちの生活に欠かせない食に関するサービスの中から、注目の3つを紹介してもらいました。
コロナ下でさまざまな生活様式が変わりました。食生活もその一つ。飲食店で食事を大勢で楽しんだり、仲間とお酒を酌み交わしたりする行為が難しくなり、それぞれの家で手料理するという機会が増えたのではないでしょうか。
こうした食生活の変化により、いくつかの課題が生じています。例えば、食卓を囲んでリラックスして会話をすることで親睦を深める機会がなくなったこと。飲食店にとっては販売時間やメニューの制限により、売り上げが減り、食品を廃棄する機会が増えたこと。食べる側にとっては、プロの料理や未知の食材との出合いが減り、食生活のワクワク感が少なくなったことなど、挙げればキリがありません。
しかし、こうした「食の課題」をサポートするテクノロジーがあります。出前館やUber Eats(ウーバーイーツ)などのデリバリーサービスが普及し、家にいながら飲食店の料理が食べられるようになっています。デリバリーだけではありません。今こそ活用したいグルメサービスがあります。今回は、その中から3つのサービスをご紹介します。
オンライン飲み会専用デリバリー「nonpi foodbox」
コロナ下で誕生したカルチャーに、オンライン飲み会があります。大人数で集まることが難しくなり、ZoomやLINEビデオ通話などのツールを使って、画面越しに飲み会を開く人は増えているのではないでしょうか。同時に複数の人が話しづらい、終電のプレッシャーがないため終わりのきっかけをつかみにくいといった新たな課題はありますが、お互いに感染を気にせずに食事を共にできるのは大きなメリットです。
かくいう私も2020年の年末には「オンライン帰省」をしてみました。父が送ってくれたおせち料理をオンライン越しに食べて、「この鴨肉おいしいね。もう食べた?」などと食事を共にして盛り上がりました。離れていても同じ料理を食べると距離が近く感じる――そう実感したのです。
オンライン飲み会専用フード配達サービス「nonpi(ノンピ) foodbox」は、まさにそうした体験を味わえるサービスです。オンライン飲み会でも食べやすい一口サイズの料理を箱に詰めてそれぞれの家に配達してもらえます。メニューは、ピンチョス4本。9種アラカルト、お茶漬け、選択できるドリンク3本が基本となっていて、有名店とのコラボやお祭りプラン、ランチプランなど、10種類以上のメニューから選べます。
1個から配達をお願いすることもできますが、主に社内の懇親会やランチミーティングなど、社員との親睦を深めることに向いています。幹事はWebブラウザーから参加者フォームのURLを参加者に送るだけ。参加者が希望のドリンクなどを入力することで受付完了です。一部離島を除く日本全国への配送、最大2万人まで可能とのことなので、他拠点の社員とのオンライン会食や大規模なイベントにも対応できます。