2020年度、課長相当職以上の管理職に占める女性の割合は 12.4%でした(厚生労働省、雇用均等基本調査)。19年度の11.9%から0.5ポイント上昇しましたが、まだまだ女性の管理職登用は課題です。そんな中、東証1部上場企業には、自分の目標とするキャリアを築き、課長として活躍する女性たちがいます。どのような思いで仕事と向き合っているのでしょうか。今回は、カルビーの購買本部購買部購買1課課長の木原明子さんに話を聞きました。
2008年3月 愛媛大学 大学院 農学研究科卒業
2008年4月 カルビー入社。綾部工場(現・京都工場)製造課に配属
2010年4月 購買部に異動し、マーケティング案件やオフィス移転案件などを担当
2012年4月 スナック・シリアル商品の原料購買を担当。国内から海外まで幅広く原料調達に携わる
2017年4月 課長就任
【家族構成】
夫と猫
製造の現場から購買部へ。当時の記憶がないくらい、必死に業務に取り組んだ
大学院で農学を研究し、就職するにあたって一つだけ決めていたのは、「自分の好きなことに関わりたい」ということでした。そして自分の一番好きなものを作っている企業に就職したいという気持ちから、カルビーに入社しました。
入社後2年は工場勤務となり、「じゃがりこ」の製造ラインに入って、生地を揚げる際の温度設定、充填包装、品質チェックといった一連の流れを学びました。製品づくりの基本を覚える、とても充実した日々でした。当時の製造現場の同僚たちとは、今でも連絡を取り合っています。
2010年に、製造課から購買部へと異動になります。カルビーはこの時代、大幅な経営改革を行っており、その一つとして、購入するものの大部分に購買部が関わることになりました。例えば、デザインに関して、あるデザイナーにデザインを依頼するところまではマーケティング部の仕事ですが、いくらで発注するのかといった価格の確認は購買部の担当です。オフィス移転などの大きな案件についても同様で、数ある選択肢から、いかに適正な価格で依頼できるかが重要になってきます。
そうした新規立ち上げのような状態の部署に、私はオフィスで働くのが初めて、という状態で加わりました。パソコンや携帯電話を貸与され、交通費の精算すらも初めて。10人ほどのチームの中で先輩とペアを組み、オフィスワークの基礎から仕事を覚え、分からないことはとにかく聞いて身に付けていこうと、毎日夢中でした。当時を思い出そうとしても、異動してから1年ほどの記憶がないくらい、必死に取り組んでいたと思います。
2012年には原料購買の担当になりました。シリアルの原料や小麦粉、調味料といった資材別に担当して、徐々にそれが増えていくイメージなのですが、その中にはすでに60年といった長年の取引先もあります。もともと、カルビーの製品が好きで入社していますので、メーカーとしての仕入れの重要な部分である、原材料の購買に携われるようになったのは嬉しかったですね。