国の目標が「2020年までに指導的地位に女性が占める割合が少なくとも30%程度」だったにもかかわらず、21年度の雇用均等基本調査(厚生労働省)では、課長相当職以上の管理職に占める女性の割合は12.3%にとどまり、女性の管理職登用は課題です。そんな中、自分の目標とするキャリアを築き、課長として活躍する女性たちは、どのような思いで仕事と向き合っているのでしょうか。今回はヤマト運輸の経営戦略部 経営戦略グループ 経営企画チームのマネージャーである新川喜美洋さんに話を聞きました。
2007年 徳島大学総合科学部卒業、ヤマト運輸入社
2007年 営業所勤務を経て、大阪主管支店に配属
2013年 本社 経営戦略部に異動
2019年 本社 経営戦略部 経営戦略課長に就任
2022年 本社 経営戦略部 経営戦略グループ 経営企画チームのマネージャー就任
現場を経験後、東京本社に異動
学生時代は法律を専攻し、その中でも特に刑法を学びました。大学卒業を前に広く人の役に立つ仕事に就きたいと思い、インフラ産業の中でも、成長が期待でき、変革的な面を持つ企業であったヤマト運輸を志望しました。入社後は約半年間、営業所で配達業務などを行い、お客様と接しながら現場の仕事を学び、その後、大阪主管支店に配属されました。
大阪主管支店では女性の管理職は数人と多くありませんでした。そのような環境下で係長(主任)になりました。当社は、特に管理職において男性比率が高い会社ですが、私自身の経験では仕事において性別を意識したことはありません。その後13 年に本社の経営戦略部に異動、東京に転勤となりました。
経験しておいてよかったと思うことの一つが、会社の課題を解決するための社内研修に参加したことです。当時から当社では女性活躍推進に力を入れており、女性社員向けの研修などを積極的に行っていました。
私のチームは営業所単位の独立採算制では人員の配置に課題があると考え、その解決のために最適な人員配置やマルチに働く部署の設立を提案しました。どの職場や仕事であっても会社全体の課題を捉え、論理的に、根本的な解決方法を検討すること、またそれらを提案するといった経験が経営戦略部に異動した後も役立っていると思います。
第一線の現場でオペレーションを担い、さまざまな課題を解決してきた経験やかつての仲間とのネットワークは本社での仕事におおいに役に立っています。例えば、各都道府県にある主管支店の再編成をはじめとした大規模なプロジェクトに取り組んだときは、正解が何か分からない手探りの中、現場で実務を担う多くの人たちと連携して仕事を進めました。現場と連携してプロジェクトを動かしたことは大きな成功体験となりました。