国の目標が「2020年までに指導的地位に女性が占める割合が少なくとも30%程度」だったにもかかわらず、21年度の雇用均等基本調査(厚生労働省)では、課長相当職以上の管理職に占める女性の割合は12.3%にとどまり、女性の管理職登用は課題です。そんな中、自分の目標とするキャリアを築き、課長として活躍する女性たちは、どのような思いで仕事と向き合っているのでしょうか。今回は、アサヒ飲料の人事総務部人材開発グループでグループリーダーを務める森裕佳子さんに話を聞きました。
2003年 名古屋大学経済学部経済学科卒業。アサヒ飲料に入社し、中部支社(当時)に配属
2005年2月 マーケティング部(当時)に異動
2012年10月 産休・育休取得
2013年9月 マーケティング部に復職
2015年6月 産休・育休取得
2016年11月 復職し、人事総務部に異動
2017年5月 産休・育休取得
2018年4月 人事総務部に復職
2022年4月 人事総務部人材開発グループリーダー(課長職)に就任
【家族構成】夫、娘3人(10歳、7歳、5歳)
「リーダー像はいろいろでいい」と思えたきっかけ
人事総務部で人材開発グループリーダー(課長職)を務めて、約1年になります。グループリーダーになってよかったことは、成し遂げたいことを具現化するスピードがかなり速くなったことです。関係部署のリーダー同士で話すことで、あっという間に決まることも多い。決定権を持っているか否かで仕事の進み具合が違う、と実感しています。
私は「リーダー像はいろいろあっていい」と思っています。「自分についてこい」というタイプのリーダーが周囲に多いように感じますが、それはあくまでも1つのタイプであって、必ずしもそうならなくてもいいのです。
社会人として駆け出しの頃に、「いろいろな人がいていいんだ」と思え、とても心が軽くなった出来事がありました。
食品業界で働くことを目指し、アサヒ飲料に入社。中部支社に配属され、営業として地元基盤のスーパーやコンビニエンスストアの本部に商談に赴き、時には売り場の催事コーナーの設営もするなど、現場の仕事に従事しました。
実はその営業部では私が女性初の営業職。内勤の女性もわずかしかいないという環境でした。知らず知らずのうちに力が入っていたのでしょう。それを見ていた先輩が声を掛けてくれたのです。