国の目標が「2020年までに指導的地位に女性が占める割合が少なくとも30%程度」だったにもかかわらず、2020年度の雇用均等基本調査(厚生労働省)では、課長相当職以上の管理職に占める女性の割合は12.4%にとどまり、女性の管理職登用は課題です。そんな中、自分の目標とするキャリアを築き、課長として活躍する女性たちは、どのような思いで仕事と向き合っているのでしょうか。今回は、インテージの営業本部スタッフ部門IT活用グループ課長の岡部純子さんに話を聞きました。
2004年 学習院大学文学部心理学科卒業
2004年 インテージ入社、顧客データのデータ分析部署に配属
2009年 主要データサービス担当部署に異動、リニューアルに向けたテストデータ分析とメニュー開発を行う(産休・育休取得)
2011年 企画営業部署に異動
2012年 データサービスの新規開発部署に異動し、分析メニュー開発・企画営業~データ分析まで広く対応
2014年 同部内でシステム企画(社内効率化、顧客向けサービス化)に軸足を移す
2015年 幹部職昇進、同時にシステム企画グループ課長就任
2016年 当該商品に関する営業支援・メニュー開発・製造・システム企画を担当するグループ課長就任
2017年 組織変更に伴い、社内IT統括部門に異動
2018年 範囲を拡張し複数サービスのシステム企画グループ課長に
2021年 営業本部のスタッフ部門、IT 活用グループに異動。横断的な社内データ活用・システム化プロジェクトや、個別の業務支援を通じて現場を支援
2021年 下期よりグループ課長に
【家族構成】
夫、息子(12歳)の3人家族
仕事より家庭を優先していた
大学で心理学を学び、人々の消費者行動に興味を持つようになりました。就職ではマーケティングリサーチ業界を志望し、インテージに入社。入社後はしばらく顧客データの分析や、企業内のデータをビジネスに生かしていく仕事をしました。例えば、百貨店の顧客の購買履歴データを分析し、売り上げ向上のためのアプローチを考えるといった内容です。
当社の業務には大きく分けて2つの種類があります。1つは顧客からの要望ベースでデータを収集・分析する、言ってみれば顧客課題ありきのオーダーメードの仕事。私が入社直後配属の部署でやっていたことです。2つ目は、当社がデータ収集からサービスを企画・開発し、ツールを含めた汎用のサービスとして顧客に活用してもらうものです。2009年には後者を手掛けるデータサービス担当部署に異動、その後1年の産休・育休を取得しました。
ここでプライベートな話をすると、わが家の場合、私が家事と育児の9割以上を担っています。夫とは同期入社で、現在は転職して別の会社にいますが、当時は同僚でした。
彼は長時間労働を厭(いと)わずバリバリ働くタイプで、仕事ができるのは周囲も認めるところなので、より高い世帯収入という面で合理的に考えたとき、私が仕事をセーブして家庭のことをやったほうがいいと判断しました。そのため、私は産休後、17時45分まで勤務して息子の保育園のお迎えのために職場を飛び出すという時短勤務を続けていました。