国の目標が「2020年までに指導的地位に女性が占める割合が少なくとも30%程度」だったにもかかわらず、2020年度の雇用均等基本調査(厚生労働省)では、課長相当職以上の管理職に占める女性の割合は12.4%にとどまり、女性の管理職登用は課題です。そんな中、自分の目標とするキャリアを築き、課長として活躍する女性たちは、どのような思いで仕事と向き合っているのでしょうか。今回は、JR東日本の千葉建築技術センターで所長を務める飯塚ひろみさんに話を聞きました。
2000年 東京大学工学部建築学科卒業。JR東日本入社。千葉建築技術センターに配属
2004年 東京支社施設部建築課へ異動
2005年~2008年 出産、育休取得・復職を同じ部署で2度経験
2012年 東京建築技術センターへ助役(科長)として異動
2015年 本社設備部へ異動
2018年 東京支社施設部建築課へグループリーダー(副課長)として異動
2021年 千葉建築技術センター 所長(課長職)
【家族構成】夫と娘(17歳、14歳)の4人家族
2年ごとに異動し、建築畑でさまざまな経験を重ねる
昔から古い建築物が好きで、それらを大切に扱いながら後世に伝えていきたいという思いがありました。そのため、大学では建築を学び、将来はその中でもメンテナンス、維持管理の仕事に就きたいと考えていました。私は出身が神戸なのですが、高校時代に上京した際、東京駅の丸の内駅舎を見てとても感動した体験も、この会社に入りたいと思った理由の一つです。
入社後は、千葉支社の千葉建築技術センターに配属となりました。グループ会社とともに千葉エリアの建物や設備のメンテナンス、改良計画の設計を手掛けるなど幅広い業務内容を担当しました。当時は男女雇用機会均等法の改正で、女性の深夜業務が可能になった時期だったため、女性社員向けの仮眠室やトイレなどのリニューアルも行いました。
その後は、約2年ごとに、建築を中心にいろいろな部署を異動し、小規模駅ホームの屋根新設から、横浜駅の駅舎の改良といった大きなものまで、さまざまな経験を重ねました。2004年に配属された東京支社施設部建築課では、05年から08年の間に2度の産休、育休を取得しました。
12年に東京建築技術センターへ助役(科長)として異動し、初めて管理者となりました。その後、18年に東京支社施設部建築課のグループリーダー(副課長)、21年に課長職である千葉建築技術センター所長に就任しました。