国の目標が「2020年までに指導的地位に女性が占める割合が少なくとも30%程度」だったにもかかわらず、2020年度の雇用均等基本調査(厚生労働省)では、課長相当職以上の管理職に占める女性の割合は12.4%にとどまり、女性の管理職登用は課題です。そんな中、自分の目標とするキャリアを築き、課長として活躍する女性たちは、どのような思いで仕事と向き合っているのでしょうか。今回は、双日の化学本部無機化学品部第一課で課長を務める増澤陽子さんに話を聞きました。

増澤 陽子(ますざわ・ようこ)さん 48歳
増澤 陽子(ますざわ・ようこ)さん 48歳
双日 化学本部 無機化学品部 第一課 課長
課長職に就任は、入社26年目、47歳
【略歴】
1996年 日本大学理工学部卒。ニチメン(現 双日)へ事務職として入社。東京化学品第二部へ配属後、化学品トレード営業補佐を担当
2005年 総合職へ転換。化学品トレード営業及び工業用塩オペレーション担当
2015年 双日アジア会社(シンガポール)駐在。工業用塩東南アジア市場営業担当
2016年 帰任後、化学本部資源化学品部所属。工業用塩極東・東南アジア市場営業担当。工業用塩チーム体制となり、営業担当兼サブリーダーに
2021年 課長就任

【家族構成】単身

サポート役のほうが向いていると思っていた

 理工学部を卒業し、双日の前身であるニチメンに、事務職として入社しました。性格的にも、サポート役のほうが自分には合っているのではないか。そう思ったのが総合職を選ばなかった理由です。まず、経理や出荷などの実務から、仕事を覚えていきました。

 私は入社から今まで、工業用の塩を扱う部署にいます。工業用塩はガラスやプラスチックなどをつくるのに必要な原料で、当社ではその多くをインドから輸入。化学メーカーなどにとっては必要不可欠な原材料となり、取引の際には大きな単位の量、金額が動きます。

 配属替えを経て、化学品トレード営業補佐として、営業担当者とペアを組んでトレーディング(売買取引)にも関わることに。その中で、補助的な仕事のほうが向いていると思っていた私自身のタイプが、違っていた、あるいは変わったと感じるようになっていきました。

 当時の事務職の仕事は基本的に「ここまで作業をしたら、あとは上司、担当者にバトンタッチ」という形です。派遣社員のメンバーを束ねるリーダー的な仕事もしており、やりがいは感じていたものの、せっかくダイナミックな仕事をしているのだから、仕事の「起承転結」に関わりたい。そして、海外での仕事にも挑戦してみたい、と思うようになっていったのです。

 2004年、ニチメンは日商岩井と合併し、新会社の双日が誕生しました。所属している部署も、顧客とのコミュニケーションが増えるなど業務の幅が広がっていきました。面談などでキャリアプランについて相談する中で、私の希望を聞いた当時の上司が「総合職になるという選択もある」と転換を勧めてくれたのです。その頃は試験のようなものはなく、何回かの面談を経て、05年に総合職へ転換しました。