副社長の役員補佐を務め、ビジネスのダイナミズムを感じる

 2016年には、各役員に若手の補佐をつける制度へのオファーを受けて、副社長の役員補佐を務めました。36歳の1年間は、他の業務を抱えずに副社長から経営トップの視点を学ぶことに没頭できました。

 会社は巨大な組織でありながら、結局は人が意思決定をしています。背景には経営陣の思いがあります。その意思決定プロセスを、構造化して間近に見られたことは、大きな学びになりました。

 こうしたビジネスのダイナミズムを間近に感じたことで、私が思い描くキャリアプランにも影響を与えたと思います。それまでの業務は半年、1年先を見る感じでしたが、10年後、20年後といった時間軸で、KDDIがどういう形で社会に求められ、どう在るべきなのか。そのために自分ができることは何かを落とし込んで考え、行動できるようになったと感じています。

リーダー職になって実感する、2つの責任感

 そして、2017年、グローバルビジネスグループのリーダー(課長)に就任しました。チームに所属する9人のメンバーは女性4人、男性が5名。それぞれがいろいろな部署を経験し、中途入社のメンバーもいますので、バックグラウンドが幅広く、多様性のある組織です。

 リーダー職になり、仕事に対する向き合い方が変わりました。それまでは、自分が頑張れば、その分だけ評価がついてきました。しかし、リーダーになったことで、経営視点から全体最適や物事の優先順位を考えて、判断するようになり、責任感が増しました。

 チームのメンバーの存在を強く意識するようになったのも、大きな変化です。会社の財産は人。社員の人生の一部を預からせてもらっている、そんな責任感も感じています。自分だけが頑張ればいいというのではなくて、メンバーあってのチームですから。

「自分だけが頑張ればいいというのではなくて、メンバーあってのチームです」
「自分だけが頑張ればいいというのではなくて、メンバーあってのチームです」

腹を割って話せる関係を築くことが重要

 私自身、管理職としての課題は、2つあると思っています。まずは、「組織としての成長」です。チームのメンバー一人ひとりの成長を促すのが、リーダーとしての仕事の半分だと思っています。そのためには、相互の「信頼」が大切になります。特に昨今のリモートワークで物理的な距離感が生じたときに、信頼があるかが、如実に問われます。メンバーと一対一で話す、腹を割って話せる関係を築くことが重要だと思っています。

 もう1つは「挑戦意欲と行動力」。あらゆる業務で、安全な道だけを歩んでいればいいという考えではなく、時に安全圏から踏み出して、強い挑戦意欲を打ち出すことです。私はかつて、海外赴任時にミャンマーやアフリカなど当時はまだ現地法人がない国でプロジェクトを任された経験があります。前例のない仕事では、勇気と覚悟を持って取り組むことで、道が開けました。責任を追及されることをいとわずに、時にリスクを取ってチャレンジしなければならないと思います。