女性管理職の間で、お互い助け合う文化に救われた

 KDDIでは、リーダー職は「経営基幹職」という職種で、その中にはリーダー職と専門職とがあり、私は前者に相当します。経営基幹職に求められる要件は2つあり、まず社内や社外で通用する実力。そして、組織を成功に導くための人間力です。さらに30以上に分かれた専門領域の要求事項が明文化されており、それぞれ役割が果たせるかが評価されます。

 私は上司に恵まれており、要所で少し先を見た、必要なアドバイスをもらいました。歴代の上司をそれぞれロールモデルとして見られたので、理想の管理職のイメージが、自分の中にも浸透していたのではないかと思っています。

 KDDIでは女性管理職の間でも、お互い助け合う文化があります。気軽に相談に乗ってもらえる環境は、とても救われる部分があります。

「リーダーとして私が悪いのか……」と苦しんだ経験も

 リーダーとしての仕事は、当初、孤独を感じることもありました。くじけそうなこと、泣きたくなることもあります。しかし1人で抱え込む必要はなく、「ちょっとここは助けて」と上司やメンバーに頼ってもいい。誰しも、迷いながら、リーダーになっていくのではないかと思っています。

 私自身、かつて仕事がどうしてもうまくいかず、「リーダーとして私が悪いのか、もう限界なのか」と、苦しんだ経験があります。そのとき、2人のチームメンバーが本気でぶつかってきてくれたのです。「黒﨑さん、それ間違っています」と、はっきり言葉にしてくれました。

 今思うと、そのときは「リーダーとメンバーはこうあるべき」という思い込みがあったのだと思います。そして部下が客観的に諭してくれたことが非常にきつくて、とても落ち込みました。しかし同時に、私の中の「ガラスのリーダー像」が粉々に壊され、チームメンバーと一緒に作り上げればいいんだ、と気づくことができました。勇気を持って助言してくれたことも含めて、チーム内の信頼関係が築かれていったのかもしれません。

「私の中の『ガラスのリーダー像』が粉々に壊され、チームメンバーと一緒に作り上げればいいんだ、と気づくことができました」
「私の中の『ガラスのリーダー像』が粉々に壊され、チームメンバーと一緒に作り上げればいいんだ、と気づくことができました」

人々が自分らしく生きられる環境を作りたい

 携帯電話に夢を感じて、KDDIに入社して約20年。世界は便利になってきたものの、まだ何かを諦めてしまう人もいると思います。そして、もしかしたら、私たちが手がけている「5G」「IoT」「AI」といった通信やテクノロジーが、そうした課題を解決できるかもしれません。

 日本で、海外で、人々がさまざまなことを諦めず、自分らしく生きる選択ができるような環境や仕組みを作る。仕事を通じてそうしたことに貢献していければいいな、と思っています。