国の目標が「2020年までに指導的地位に女性が占める割合が少なくとも30%程度」だったにもかかわらず、2020年度の雇用均等基本調査(厚生労働省)では、課長相当職以上の管理職に占める女性の割合は12.4%にとどまり、女性の管理職登用は課題です。そんな中、自分の目標とするキャリアを築き、課長として活躍する女性たちは、どのような思いで仕事と向き合っているのでしょうか。今回は、日本郵船の不定期船グループでフリート管理チームのチーム長を務める佐久間浩子さんに話を聞きました。

佐久間浩子(さくま・ひろこ)さん 41歳
佐久間浩子(さくま・ひろこ)さん 41歳
不定期船グループ フリート管理チーム チーム長
課長職就任は、入社18年目、40歳
【略歴】
2003年 早稲田大学商学部卒業、日本郵船入社。研修を経て石油グループ(当時)に配属
2006年 自動車船グループへ異動
2011年 パナマックスフリートマネジメントグループ(当時)へ異動
2012~2013年 出産、育休取得、復職
2013年 パナマックスグループ(当時)へ異動
2016~2018年 配偶者転勤休業制度を利用しロシアに移住、第2子をロシアにて出産
2018年 ロシアから帰国、育休取得
2018年秋 復職、不定期船グループへ異動
2021年 不定期船グループで部内異動、チーム長(課長)に

【家族構成】夫と娘(10歳)と息子(4歳)の4人家族

父の働く姿を見て、会社員に憧れた

 私は父の転勤によって海外で生活し、また父の仕事関係の人が自宅によく遊びに来る、という環境で育ちました。父とはよく仕事の話をしました。会社からさまざまなチャンスをもらいながら働くのは楽しいと言う父の姿を見てきたので、子どもの頃から「私もこんな会社員になりたい」と思っていました。

 就活ではさまざまな企業を訪問しました。そんな中、地政学リスクや世界情勢をかいくぐりながら、人々の幸せに貢献できる海運業を「すてきだな」と感じたのが、日本郵船に入社した理由です。

 研修を経て配属されたのが石油グループ(当時)。配属先の部署では、東京タワーを横に倒したくらいの巨大なサイズの大型タンカーを30隻ほど運航していました。私は主に長期契約のタンカーの運航業務を担当しながら、契約更新にともなう営業なども行いました。より効率よく航行し、採算を上げられるように工夫したり、運航についてのクレームを受けた際に船の航行データと照らし合わせて、補償額を下げる交渉をしたり、という仕事の基礎を学びました。

 当社には定期的なジョブローテーションがあり、私は2006年に自動車船グループ、11年にパナマックスフリートマネジメントグループ(当時)への異動を経験しています。さらに、2度の育休を経て、その復帰後も部署を異動しました。自動車船グループのときには、クライアントのスケジュールや自動車専用船の形状を考慮しながら、1隻の自動車専用船にいかにして多くの車を効率よく積むことができるか、頭をひねりました。

 パナマックスフリートとはパナマ運河を航行できるサイズの船を意味し、石炭をはじめ、さまざまな貨物を運ぶいわゆる「ばら積み船」です。効率よく積み込んで迅速に航行することはもちろん、資源や穀物の価格といった世界経済の動きと直結するハイリスク・ハイリターンの世界なので、より即断即決が求められます。