2020年度、課長相当職以上の管理職に占める女性の割合は12.4%にとどまりました(厚生労働省、雇用均等基本調査)。そんな中、東証1部上場企業では、どのような課長職の女性たちが活躍しているのでしょうか。今回は、NTTデータの公共・社会基盤事業推進部 企画部で働く事業戦略担当・二十軒悠里さんです。
2004年 東京大学 農学部卒業
2006年 東京大学大学院 農学生命科学研究科卒業
2006年 NTTデータに入社し、テレコム系のシステム開発プロジェクトに配属
2011年 ユーティリティー系の新規システム開発プロジェクトに異動
2016年 課長昇格
2017年 産休・育休取得(7カ月間)
2018年 産休前とは別の開発プロジェクトに復帰
2021年 分野スタッフ組織(事業戦略担当)に異動
【家族構成】
夫と息子(3歳)の3人家族
人と人が関わるシステム作りに魅了されて入社
私は大学と大学院では農学部で生命科学分野を研究しました。就職活動では食品メーカーの研究職なども受けましたが、「人と接しながら何かを作っていく仕事がしたい」と思い、NTTデータを選びました。特にIT分野に詳しかったわけではありませんが、入社してから学び、システムエンジニア(以後、SE)として業務を行うことになりました。
システムを完成させるにはチームワークが必須で、人と人との関係づくりはとても大事です。私は大学時代にチアリーディングをしていて、みんなで協力して何かを創り上げる、メンバーを盛り上げるといったことにやりがいを感じていました。そんなふうに自分が大切にしてきたことと、SEの仕事は結びつくものでした。
まず、通信系のお客さんに対するシステム開発を担当し、その後、ガスや電力といったインフラ系のお客さんを担当しました。職場の男女比率は、私より上の世代は、男性のほうが圧倒的に多いです。ただ、仕事の中で、男性だから女性だからといって区別されることは特になく、性差は意識せずに働くことができました。
課長昇進の打診で、まさかのネガティブモードに
2016年に課長に昇進しました。管理職は経営と一般の社員をつなぐ役割であるため、それまでとは少し違う視点で物事を捉えていかなければいけません。そうしたことが重視され、マインドセットを変えるための準備期間が設けられています。
その準備期間では、「会社が今後成長していくために、自分はどうしていくべきか」という自分なりの答えを出さなければいけません。「プロジェクト単位で仕事を成功させるためにチームとして何をしていけばいいのか」といった、それまでの現場視点だけではなく、会社視点での発想に切り替える必要がありました。そこで、自社のことや世の中の動向を改めて調べ、考えを整理する、といった準備や勉強が必要でした。
このような流れで昇進に向けて進みながらも、実は、管理職を打診されたときからネガティブな気持ちにとらわれてしまっている自分がいました。「あなたは課長に昇進するための研修に行くことになった」と上司から伝えられましたが、そこでかなりモヤモヤしてしまって。そのモヤモヤを少しずつ解消しながら、リーダーになる準備をしました。