国の目標が「2020年までに指導的地位に女性が占める割合が少なくとも30%程度」だったにもかかわらず、21年度の雇用均等基本調査(厚生労働省)では、課長相当職以上の管理職に占める女性の割合は12.3%にとどまり、女性の管理職登用は課題です。そんな中、自分の目標とするキャリアを築き、課長として活躍する女性たちは、どのような思いで仕事と向き合っているのでしょうか。今回はマルハニチロ北米事業部すりみ課課長役の菊池亜矢子さんに話を聞きました。

マルハニチロ 北米事業部 すりみ課 課長役
マルハニチロ 北米事業部 すりみ課 課長役
菊池亜矢子(きくち・あやこ)さん 44歳
課長職就任は、入社17年目、40歳
【略歴】
2002年 4月 明治大学大学院 農学研究科 修士課程修了、入社
2002年 4月 グループ会社 出向
2007年 2月 復職 水産第一部 すりみ課 異動
2012年 4月 課長代理 昇進
2013年 2月 産休・育休取得
2014年 4月 職場復帰 北米事業部すりみ課
2018年 4月 課長役昇進(40歳)

【家族構成】
夫、息子(9歳)の3人家族

入社と同時に、グループ会社に出向

 大学院では栄養生化学を専攻していました。マルハ(当時)は、魚に含まれるDHA(Docosahexaenoic Acid、ドコサヘキサエン酸)の研究を行っており、機能性食品も手掛けていたことから、「学んできたことが生かせる」と考えたのが志望動機です。

 入社してすぐ、同期3人とともに、砂糖・甘味料の販売や買い付けを手掛けるグループ会社に出向となりました。新入社員の出向は珍しいことではありました。受発注とロジスティクス(物流)、次に営業サポートなどビジネスの基礎と社会人としての心得を学びました。

 07年に復職、水産第一部すりみ課に配属されました。かまぼこ、さつま揚げ、魚肉ハム・ソーセージ、カニカマなどの原料となる、すりみ(魚のすり身)は、surimiとローマ字表記もされる国際商材です。北米をはじめとする世界各国からすりみを日本に輸入、また他の国へ販売しており、私の役割はロジスティクスです。課としては大きく、16~18人が所属していました。私はその後も一貫してすりみに携わり、現在に至っています。

OJTで新人を指導、管理職の土壌に

 本社勤務となり、まるで異業種に転職したような状態から始まりました。通常は新入社員研修などで学ぶ貿易の基礎知識も、私にはありません。貿易実務の知識はすべての基礎になるので、貿易実務の外部講座を受講して検定試験に無事合格するなど、少しでも知識をつける努力をしました。業務引き継ぎなどの関係で、同じ出向先のほかの出向者に比べて早い時期に復職したので、「出向から戻った人材は、使えなくて困る」と言われたくなかったのです。

 そんなふうに、私のほうは少し構えていた部分がありました。迎え入れる側も、知識経験の乏しい社員を受け入れるということで、大変だったろうと思いますが、上司や同僚が温かくサポートしてくれたのが本当にありがたかったですね。

 08年には新入社員のOJTの指導を任されたことで、初めて人を教える立場となりました。まだ自分でもきちんと理解していない業務内容について、分からないなりにも教えなければならない。そうした立場で新人たちと過ごした1年は充実していましたし、その後管理職となっていくことを、自然に受け入れる土壌となりました。